リハログ

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はじめまして。yusukeです。柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。各種養成校の学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張っています。

これがないと理学療法を進められない!目標設定(リハビリテーションゴール)まとめ

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理学療法が行われる時には必ず目標が設定されます。

目標は患者さんの「望み」に沿ったものでなければいけません。

しかし、必ずしも患者さんの望みのみを追求してもうまくいかないことがあります。

それは例えば、疾患により再び歩くことが難しくなってしまった患者さんがおられたとして、その方の望みが歩きたいという内容であった場合などに起こります。

この場合、再び歩くことだけを目的としてしまっては、その人の現状の最高の生活レベルを目指せなくなってしまいます。

それは結果的に患者さんに有益ではありません。

患者さんは自身の現状を医学的に把握しているわけではなく、また理解しようとしても障害受容が難しい場合もあります。

その中で、患者さんの望みに沿いつつ、より良い方向へ導くことも理学療法士の使命であると思います。

複雑な状況の中で、リハビリテーションゴール(目標)をどのように設定するのかは難しい課題ですが深く理解して考え続ける必要があります。

 

目標設定(リハビリテーションゴール)

リハビリテーションゴールは、「リハビリテーションで解決すべき問題」を明確にして、患者さまの実際の生活を想定して設定します。

そして、理学療法士はその生活を達成するために目標となる「動作」を抽出します。

また、その動作は遂行する上でどの程度の自立度を目指せるのか、どの程度時間がかかるのかなど詳細を設定していきます。

そのために理学療法士は評価を実施して情報を集め、予後を予測することが必要となります。

そして、適切な長期目標を設定した後、段階的な短期目標を設定します。

ゴール設定は患者さんの今後の生活を見据えて設定することが重要です。

患者さんの望みとは

ここでいう患者さんの望み(demand)とは、患者さんが「理学療法を受けてどうなりたいか」ということです。

これは、患者さんの今の気持ちや状況に左右され日々変化していきます。

回復すれば以前より高いレベルの内容を求めたくなりますし、また障害を受容していくうちに自身の状況を理解し変わっていく場合もあります。

理学用法士の視点

その際、リハビリテーション専門職の理学療法士からの視点を必要性(need)と表現します。

needは医学的な根拠をもとに考える必要があります。そのため、変化していくdemandに対し明確なものでなければいけません。

理学療法士はこれを患者さんの状況に合わせて伝え、導いていく必要があります。

そして患者さんのdemandも決して無視してはいけません。

話し合い、信頼関係を気づかなければ良い理学療法は行えません。

真のneedとは

「患者さん側のdemand」理学療法士側のneed」のどちらに偏りすぎても、リハビリテーションはうまくいきません。

例えば、患者のdemandにただ合わせることは一時的に良好な関係が築けるかもしれません。しかし、後々必ず問題が生じます。なぜなら、事実は変化しないからです。どこまで治るのか医師とともに、状況を見て伝えることも時には必要になります。

その上でお互いに納得のいく「前向きな方向性」を考えていかなければなりません。

このdemandとneedを合わせて、より良い方向性が築けた場合を「真のneed」といいます。

できるだけ両者を近づけることで、スムーズにリハビリテーションゴールに向かうことができます。

まとめ

理学療法士における目標設定の考え方は、柔道整復師鍼灸師においても参考になる点があるのではないでしょうか。

すべての治療は目標を持って、段階的に明確に行わなければなりません。

僕は理学療法士の養成校でこのことを学んだとき、今までの目標設定の甘さに気づきました。

患者さんに対して常によく話し合い最善の目標が立てられていたのか、思い返すと反省すべき内容がたくさんあったと思います。

柔道整復師鍼灸師においても目標設定をしっかり行い、どれくらい通院してもらう必要があるのか、またどこまで治せるのかを明確にして施術を行う点は共通であると思います。

この記事が、大切な患者さんとの信頼関係の構築に役立てば幸いです。

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