リハログ

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はじめまして。yusukeです。柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。各種養成校の学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張っています。

柔道整復師は卒後教育の場が少ない?整骨院では学べないこと

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柔道整復師とは

柔道整復師骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷に対して、保険での施術が行えます。ルーツは整形外科の不足していた時代にその補填として生まれた資格といわれています。そのため、いわゆる外傷のみ保険が適応するのです。つまり柔道整復とは整形外科の一部の業務において保険を取り扱えるという資格です。

よって柔道整復師としての技術とは、整形外科的な鑑別能力と処置能力といえます。

養成校でも外傷の知識は「柔道整復学」という専門科目で多くの時間を割いて勉強します。

また資格の元々のルーツから現在でも骨折の整復法や脱臼の整復法を実技として学びます。しかし近年では整復は麻酔下で医師によって行われることが基本です。よって現在この技術は、使う場面がほぼありません。

とはいえ骨折・脱臼の患者さんが来院した場合は、応急処置をして医療機関に紹介する必要があります。

また、捻挫・打撲・挫傷に関しては正確な鑑別と処置が求められます。

学校のカリキュラムや保険の適応範囲から、柔道整復師としての技術とは、適切な鑑別能力と、処置、適切な医療機関への紹介、そしてその後の後療法(リハビリ)だと思います。

卒後教育の問題

しかし、これが技術であると考えた場合、問題があります。昔に比べ、なかなか整骨院に外傷の患者さんがきてくれなくなっているのです。

現在では整形外科クリニックなど医療機関で勤めない限り、なかなか外傷の経験を積むことができません。

そのため外傷に対応できる整骨院を開業するには、数少ない外傷に対応できる整骨院で修行するか、整形外科クリニックで修行するかに限られ非常に狭き門になっています。

そのような勤務先は探せばありますが、勉強できるような環境である場合、給料が厳しいことが大半です。それでも数年は修行期間と思って頑張れればいいのですが、奨学金などを借りて学費を払っている人も多く、勤務先が選べない人もいるのが現状です。

そう考えると、外傷に対する施術が専門性であると考えた時、柔道整復師には卒後教育を受けられる場が少ないと言えるかもしれません。

また、このような背景から柔道整復師の保険適応の業務で食べていくことがかなり厳しいという状態になってしまっています。行き詰ってしまい、柔道整復師としてどうあるべきか、どうしていくべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

柔道整復師の今後

このような現状があってもたくさん勉強して活躍されている方はおられます。

例えば、それでも突き抜けて柔道整復師として外傷を極める、AT(アスレチックトレーナー)の資格をとってスポーツ分野で外傷の知識を生かす、鍼灸の技術と柔道整復師の鑑別能力を合わせて活躍するなど努力すれば様々な方向性があります。

個人的には福祉施設柔道整復師は機能訓練士として働けるので、そこで様々な疾患や、地域の医療や福祉との関わりを持つことも一つだと思います。

勉強して良い柔道整復師になりたいという人に道が開けることを祈ります。

よろしければ、以下の記事も参考にしてください。

pthari.hatenablog.com

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