医療はサービス業なのか?リハビリの視点から考えてみた
医療はサービス業と言えるのでしょうか?
近年医療にもサービス業としての視点が求められている傾向があります。例えば患者さんを患者様と呼ぶなど、病院によっては変化してきています。
しかし、僕自身は単純にサービス業と一緒にできないのではないかと考えています。
今回は、なんでそう思うのか書いてみます。
僕が思う医療とサービス業の違い
僕がまずサービス業と明らかに違うと思う理由として、サービス業とは営利目的だということです。たしかに、近年では病院も経営難でつぶれる時代で、経営の面でも厳しくなりコスト削減がいわれています。
しかし、患者さんに対しての単価に合わせてサービス変化させていくわけではありません。適切な医療を提供することが最優先であり、サービスによる営利目の追求はありません。
また、ここがポイントで、医療の場合、患者さんの望むままに提供しても必ずしもいい結果につながらないことがあります。
リハビリで例をあげるなら、怪我で歩くことが困難になった患者さんが「歩きたい」と望んだからと言ってそればかりを追求した場合などにその不利益はおこります。
退院までに家での生活を見据えて、できることを練習しておかないといけないのに、歩くことに固執してしまったために結局家に帰ったときにできるはずのことすらできなくなってしまうのです。
リハビリでは廃用という、使わないことによる筋力などの衰えを防止することも重要です。このようなことを患者さんにわかってもらい導くことも医療では必要になります。
だから、必ずしも患者さんの望むままにサービスを提供し、営利目的で行ってはいけない側面があります。
リハビリの場面ではまだ命に関わることが少ないですが、救急の場面になるとよりサービスを重視していられなくなります。
だから、僕は患者さんとお客さんは必ずしも一緒ではないと考えています。
医療に必要なこと
しかし、だからといってサービス業ではないのだからとすべてを否定してしまうつもりはありません。
それは医療を提供する際、必ず人と人との関わりになるからです。人との関わりである以上、接し方や伝え方を工夫しなければいけません。そう考えるとサービスの視点を持たなければいけないと思いますし、サービス業から学ぶことは多いと思います。
近年、サービス業としての医療を求められている背景には、この部分がおろそかになっていた現状もあるのではないかと考えています。
お客さんとして単価を考えて医療を提供する必要はないと思いますが、医療の一部を担うプロとしてよりよいサービスを提供することは重要だと思います。
特にリハビリでは、患者さん自身がその必要性を感じてもらって始めて効果があげられます。そのため、医療スタッフの中でも特に関わり方や伝え方を工夫して患者さんと信頼関係を築くことが重要な仕事だと思います。
まとめ
長くなってしまいましたが、僕は医療とサービス業は違うと思います。
それは医療が営利目的ではなく医療を提供するという目的が主であるからです。
しかし、医療にはサービス業の視点が必要であり、よりよい医療の提供について考えていかなければならないと思います。