リハログ

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はじめまして。yusukeです。柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。各種養成校の学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張っています。

柔道整復師と理学療法士の違い。どんな人が目指すの?社会人はいる?

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今回は柔道整復師理学療法士という資格についてまとめてみます。

 

どんな人が目指すのか

一般の人からはどちらの資格も認知度はまだまだ低く、違いがわかりにくい印象があります。関わる機会がなかった方はマッサージをする仕事くらいのイメージではないでしょうか。

しかし、ある一定の人たちにはよく知られています。それはスポーツ経験者です。

病院や整骨院でリハビリを受けたという人はこれらの職種について知ってくれている場合が多いです。また、どちらの養成校でも必ずクラスにスポーツ経験者がいます。そしてその人たちは、実際にこれらの職種によるサポートを受けた経験があり、その影響で目指している方が多いです。

それ以外で関わりが多いと言えば高齢者になります。それは医療自体が身体に問題を抱えやすい高齢者との関わりが強いからです。しかし、高齢の方が目指される資格ではありません。

では他にどんな人が目指す傾向があるのでしょうか?

それは社会人経験者だと思います。一度他の職種を経験した方が、社会でのたくさんの出会いの中でこれらの職種を知り、興味を持って調べていくうちに目指したくなるケースが多いです。この層は、単にこの仕事がしたいというだけでなく、安定を求めていたり、転職しやすいという理由であったり目的は様々です。

おそらくどの養成校もだいたい上記のような現役組と社会人経験者組のようなイメージだと思います。これが大学であれば現役組がほとんどとなり、専門学校であれば社会人経験者の割合が増えるといった感じです。

まだまだ認知度が低いということを考えると、おそらくこの二つの資格の違いを知りたいという人は、これからこのどちらかの資格を目指そうという人ではないかと思います。

以下にそれぞれ自分の主観ですが、養成校に通って職種を知って感じたことをまとめます。

柔道整復師の現状

柔道整復師とは要は整骨院を開業できる資格で、主に外傷の処置からリハビリまでを行います。 柔道整復師はもともと整形外科が不足していた時代にその補填としてできた資格だといわれています。

そのため、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷のみ保険適応が可能であり、独立開業権があるのが特徴で、これらが資格のメリットととも言えます。

これらを施術する方法を柔道整復術といい、業務独占の資格です。

しかし、法律上柔道整復の定義が定められていないという問題があり、その施術範囲が曖昧なため上記の外傷以外でも受診されるケースがあります。その場合保険適応外となりますが治療を行います。そのため、様々な治療スタイルが用いられています。また、このような特殊な状況から、保険適応での治療と保険適応外での治療を混合で行っている整骨院が現在主流となっています。

患者さんは高齢者~若年者まで幅広いですが、主に高齢者が多い傾向があります。また外傷の処置を行えることから、スポーツ経験者の受診も多いといえます。

目指すには3年間、定められた養成施設(専門学校または大学)で単位を修め、その後国家試験に合格する必要があります。また、認定実技審査に合格する必要があります。(柔道整復の実技と柔道の実技からなる)

また多くの養成校では、3年間働きながら通えることも社会人から目指す人にとってはメリットです。

試験科目は、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、公衆衛生学、一般臨床医学、整形外科学、外科学概論、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規の11科目です。

卒業後は整骨院や整形外科クリニックなどでの勤務の他、デイサービスなどの福祉施設でも機能訓練指導員として働くことができます。またこれらの施設で経験を得た後、多くは独立開業を目指します。

理学療法士の現状

理学療法士はもともと看護師の業務のうちリハビリの部分を切り取って専門的な資格としたものです。アメリカなど海外でも存在する職種であり、それをモデルに医療の発展と共に作られた資格です。

医療の一部を担う資格として、その中心である医師の指示のもとでリハビリを行うことが主な業務です。リハビリの専門資格は他に作業療法士言語聴覚士があり、それぞれ専門分野が違います。

理学療法士運動療法や物理療法を用いて、基本的動作という日常生活の基本となる動作を改善することが主な業務です。基本動作とは寝返り動作、起き上がり動作、立ち上がり動作、しゃがみ動作、移動動作の5つを指します。それに対し作業療法士はその日常の動作をより具体的に改善していきます。言語聴覚士は言葉や嚥下のリハビリを専門としています。

それぞれリハビリの一部を担い連携することで効果を高めますが、実際は重複した部分も多くセラピストの不足から他のリハビリ専門職の業務範囲でも担当するケースが多く幅広い知識が求められます。

理学療法士は名称独占の資格であり、資格を持たない者が紛らわしい名称を用いることができません。しかし、名称を用いなければリハビリは他職種でも行えます。

医師の指示のもとで行うという条件があるため病院に勤務することが中心となります。その中でも主に脳神経外科や整形外科のリハビリテーションを行います。

また福祉施設でも勤務することができます。理学療法士としての独立開業はできませんが、柔道整復師より医療・福祉での勤務できる範囲は多いことがメリットであると言えます。また訪問看護ステーションにも勤務できます。また、医療・福祉施設に勤めた場合、収入面でも柔道整復師より有利な傾向があります。

最近では理学療法士としての知識を生かして、資格にとらわれず起業するケースもありますが現実は軌道に乗せることが厳しいとの声もあります。

患者さんは主に高齢者ですが、勤める施設により小児を専門としたりスポーツを専門としたり様々です。また近年では上記の診療科だけでなく、循環器や呼吸器の疾患などにも業務範囲が広がりその重要性も見直されています。

目指すには3年間ないし4年間、定められた養成施設(専門学校または大学)で単位を修め、その後国家試験に合格する必要があります。柔道整復師のように実技試験はありませんが、修めるべき単位数が多く国家試験も難易度はやや高い傾向があります。

また病院や福祉施設での実習で数か月経験を積む必要があり、最終学年ではほぼ実習の日々となります。そのため働きながら通うことが最終学年では困難となる場合が多いです。この点では社会人から目指す人はよく計画して養成校とも相談して入学する必要があります。

試験科目は、「一般問題」として解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び理学療法、「実地問題」として運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び理学療法があります。

(これらを細分化すると呼吸・循環器、評価学、義肢装具、ADL、脳血管障害、神経筋疾患、骨関節障害、運動療法、脊髄損傷、小児発達、臨床運動学、病理学、リハビリテーション医学、統計学、物理療法学、精神心理学、運動学、解剖学、生理学などに分かれます)

卒業後は主に病院、クリニックや福祉施設訪問看護ステーションなどが中心となります。経験を積んだ後は、転職によるキャリアアップや副業での収入アップ、知識を生かしてセミナーを行ったりなど様々な方向性があります。しかし、資格の歴史が浅く、管理者も若い傾向があるため一つの施設で働き続けても、出世は難しい現実もあります。

これから目指す人へ

上記のように柔道整復師理学療法士では、業務は重複する部分もありますが職域や仕事をする上での目的が大きく異なります。

そして、両方の資格とも現在は飽和状態と言われています。とはいえ職場は選ばなければ充分にあることも事実ですが、望んだ職場に就職するのは簡単ではなくなっています。しかし、一般企業に就職することを考えれば容易であり、資格があれば転職もしやすいというメリットもあります。

これから目指す人にお伝えしたいのは、昔のように資格があれば安泰の時代はもう終了しているということです。なぜ目指すのか、取得して何がしたいのかというような将来の目的がないと厳しい現実が待っているかもしれません。

現状は、飽和状態なのに若い人がどんどん資格を取得している状況です。それに反して医療費削減により収入は減少しています。そのため、どちらの業界も将来が不安という声もよく聞きます。

しかしながら、やりがいがあり自分次第ではいろいろな方向性に展開していける職種である点はとても魅力があります。

入学に関しては社会人でも充分に目指せる環境があり、年齢もそれほど気にしなくていい状況です。学業の面でも勉強からかなり離れていたとしても、入学後に努力すればなんとかなります。また、人生をかけている人が集まるので環境的にも頑張りやすいためそれほど心配はいりません。

しかし若い人とは環境面や行動力、就職時の不利などハンデイがあるのも事実です。

これらを考えたうえで目指すのであれば、人の役に立てるとても充実した仕事ができる資格であると思います。

まとめ

メリット、デメリット両方を自分の主観ですがまとめてみました。この情報がこれから目指そうとしている人にとって役に立てれば幸いです。

長い文章にお付き合い下さりありがとうございます。

以下の記事も参考にしてみてください。

pthari.hatenablog.com