【新卒】理学療法士の就職先について。就活って何から考えたらいいの?
就職って当たり前ですけど、かなり大事ですよね。
でも理学療法士の養成校では、最終学年まで具体的な就職の状況がわからなかったりします。
また、大学では就職説明会があったりしますが、専門学校ではない場合も多いです。
そのため、いざ就職活動となっても具体的な情報がなく、見学するにもどこから行けばいいのか迷うことが多いです。
例えば
・病院や施設ごとの特徴がわからない
・病院や施設を知らないために選択肢がない
・どんな条件が相場なのかわからない
・自分の適正がわからない
・病院や施設は何を基準に選考しているのかわからない
・・・など、基本的なことがわからなすぎて、そもそも選択肢が思いつかない状態です。
よく実習で行きたい方向性が決まると言われます。
しかし、急性期、回復期、維持期といった病期別の特徴や、中枢疾患、整形外科などの分野は概ね決まっても、具体的にどういう所に行きたいのかまではなかなか決められません。
そのため、多くは学校にくる求人や、実習先への就職などで決める場合が多いと思います。
しかし、もっと早くにどんな選択肢があるのか知って動きだせば、より自分に合った就職先を探せます。
今回は、自分の経験の範囲になりますが、就職の実際をまとめます。
就職活動は複数同時に行えない
じつは就職活動は複数同時に行えないというルールがあることが多いです。
例えば一つの病院を受けると決めたらその結果がでるまで、他は受けられません。
理学療法士の採用枠は少ない場合が多く、予備に採用することが難しいため、辞退すれば応募した本人だけでなく養成校の信用に関わってしまいます。
そのため多くの学校では就職活動は複数施設を同時進行で進められません。
なので就職活動で応募できる数は限られます。
大学では早い時期に就職活動をしますが、専門学校では遅い場合も多く、より少なくなります。多くても5施設程度です。
だいたい2、3施設落ちてくるともう希望の就職先に応募することは難しくなり、落ちにくいところを受けることになってきます。
また、募集時期は重なる傾向があり、受けたい病院が同時に募集していた場合、一つに絞らないといけません。
そもそも受けたい病院が募集するとも限らないため、自分の求める条件とともに妥協する必要はありませんが落としどころは決めておかなければなりません。
そのため、「この条件だけは絶対譲れない」というものを決めておく必要があります。
譲れない条件を決めておく
この譲れない条件をどこで決めるかというと、実習だと思います。
実習では、現場の様々なことに触れられます。
病院ごとの人間関係や患者さんの層、理学療法士の生活リズムなど具体的なことが見えてきます。
目標となるような先生との出会いがあり、その先生の助言で方向性が決まる場合も少なくありません。また、待遇面の実際などを相談できる場合もあります。
就職活動を経験している先輩方は、自分だけでなくクラスのメンバーの就職活動も見てきているので多くの情報を持っています。
そのため相談に乗ってもらえる機会があれば、自分の適性を見つけてもらえるかもしれません。また、同じことが養成校の教員でも言えます。
自分で譲れない条件が決められなければ、信頼できる先輩に相談してみるのも一つです。
成績は大事
どんな施設に就職するとしても学内の成績は大事です。就職活動では多くの場合、成績証明書の提出があります。
これは成績によって、その人の国家試験合格の可能性を判断するためです。
じつは成績が悪いと、国家試験に落ちるかもしれないと判断されるため不利になります。
先ほど書いたように、理学療法士では採用人数の少なさから予備の募集はしない傾向にあります。そのため、内定者が国家試験に落ちると不採用になるため、再度募集をかけなければいけません。
そうなると、コストも労力もかかってしまうため、落ちない人を取りたいのは当たり前となってきます。
公的な病院や大きな法人などになれば、その傾向は顕著です。優秀な人材も集まりやすいため、成績がいいのは前提条件のようなものになってしまいます。
成績がある程度ないと、募集人数を越える応募があるような施設は厳しくなります。
とはいえ成績が厳しくても、自分の条件をしっかり絞ればそれを満たす施設はあります。
しかし、給料も経験もネームバリューもといくつも条件を満たしたい場合は、成績は最低限必要になってきます。
年齢もみられる
僕自身もそうでしたが、年齢はマイナス要素になってしまいます。
若い方が有利なのは事実です。
しかし、それでも希望の就職先に行く人も多くいますので、努力次第です。
年齢のハンディがある分、就職先を選ぶためにできるだけ他の条件は有利になるよう努力しておく必要があります。
例えば成績だけではなく、面接や筆記試験対策など、他の評価対象についてのクオリティを出来るだけ上げておくのが望ましいと思います。
また、就職先を紹介してもらえることもある業界なので、まじめに熱心に普段から取り組んでおくことも大切かもしれません。
人と比べる必要はない
個人によって価値観が全然違うので人と比べる必要は全くありません。逆に人に流されて後悔するパターンも少なくありません。
ネームバリューがある病院に価値を感じる人もいれば、給料の高さに価値を感じる人もいますし、公務員待遇を目指す人もいます。病院にこだわる人もいれば、老健に絞って探す人もいます。
大きな病院に内定すれば、すごいねと言われるようなこともありますが、全く関係ありません。
もともと目指しているものがそれぞれ違うので、自分が譲れない条件をしっかり決めて、それが手に入る職場を探すことが一番後悔が少ないと思います。
ネームバリューのある病院に入ったら、毎日思った以上に帰りも遅くて厳しくついていけなかったり、給料が高い病院にいったら人間関係がきつすぎて続かなかったり、入ってみないと本当の条件はわかりません。
そんな時に後悔しないよう、自分の意志で決めることが重要です。
公的病院は狭き門なのは事実
公的病院が特別にすごいというわけではありません。
しかし、公的な病院でしか経験できないことがあるのは事実です。そのため目指す人も多く、優秀な人が集まるということも実際にあります。
公的病院とは、大学病院や医療センター、市民病院など公務員待遇かそれに準ずるようなところです。
近年では、公務員待遇といっても昇級が厳しいところもあり、待遇面を重視して受けるのであれば事前にしっかり調べておく必要があります。
しかし、それよりもメリットなのは、難病などなかなか経験できない症例が集まるということや、三次救急のように重症患者の救命を目的とした病院などがあり、貴重な経験を積めるというところです。
ただし、こういったところには国立大学出身の学生や成績優秀者など意識の高い人が集まりやすい傾向になります。また、ある特定の学校と関係している場合もあり、なかなか厳しい現実があります。
若くて優秀な人がくるので、年齢もハンディになります。また、一般教養試験を課せられる場合もあり、準備も必要になる場合もあります。
もし目指すのであれば、事前に調べて準備しておくことが重要となります。
どこにいっても結局は自分次第
環境はたしかに大事です。しかし、結局は自分次第ではないでしょうか。
いかに優れた環境でも、学校のように手とり足とり教えてくれません。社会に出れば自分から動かないと何も得られません。
例えば、もし職場にその環境がなくても、外部に環境は求められます。
たしかに、教育の一環として課題を提示してくれる職場も存在します。
勉強しなければいけない環境はメリットでもありますが、強制されないとできない時点で、おそらくその環境は苦痛になると思います。
逆に強制されても苦痛じゃない場合は、他にいっても自分で頑張れる人だと思います。
そう考えたら、どこへいっても自分次第でスキルアップは可能であると思います。
教育体制が整っていることを条件に挙げる人も多いですが、もしかしたらそれは自分次第でなんとかなるのかもしれません。
しかし、誰しもが一人でやる続けられるわけではありません。
そう考えると、ある程度の教育体制があることはメリットであるのも事実です。
まとめ
情報が少ない中で応募する施設を決めなければならないので、譲れない条件をまず考えてみてください。
わからなければ、養成校の先生や実習先の先生など先輩理学療法士に助言をもらうと自分の適性が見えてくるかもしれません。
後悔だけはないようにして、最終的には入ってみないとわからないのでそれを想定して決めることをお勧めします。
養成校の先輩が務めているなど、内部情報がわかれば一番不安がありません。
迷うと思いますが、後悔しないために「譲れない条件」についてぜひ考えてみてください。