リハログ

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はじめまして。yusukeです。柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。各種養成校の学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張っています。

【リスク管理】血圧測定の基本まとめ

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リハビリを実施する際、バイタルサインの確認は重要となります。

介入できるかの判断材料にしたり、運動時の負荷量が適切か確認するなど毎日の臨床で必ず測定する場面がでてきます。

 

今回は自身の勉強のために血圧測定の基本をまとめてみます。

 

血圧

「血圧」とは動脈圧のことを言います。

臨床では体表から血管を締め付けることで、この動脈圧を確認します。

この動脈圧の最高値を「収縮期血圧」、最低値を「拡張期血圧」といいます。

 

心臓の収縮期では左心室から血液が拍出されるため一時的に血圧は上がります、それが拡張期では徐々に拍出された血液が減っていき血圧は下がってくることになります。

 

正常血圧は収縮期血圧130未満、拡張期血圧85未満とされています。

 

これが収縮期140以上、拡張期90以上では高血圧と呼ばれます。

(2009年高血圧治療ガイドラインより)

 

学生時代多くの人が勘違いするのが、高血圧の値を超えるとだめだと思い込むことです。

重要なのは日々の血圧の経過を知っておくことと、その安静時の血圧がどの程度リハビリ前・リハビリ中に変動しているかです。

 

全ての人をこの高血圧の数値に当てはめてもあまり意味がありません。

 

ただし、高血圧を呈している場合、動脈系の疾患となるリスクや死亡率が高まるという意味では、高リスク群であるため、内科的にはこの基準も重要になります。

 

血圧を規定する因子

血圧は心拍出量と末梢血管抵抗に影響されます。

式にすれば血圧=「心拍出量×末梢血管抵抗」です。

 

この内、収縮期血圧は「心拍出量」に、拡張期血圧は「末梢血管抵抗」に主として影響されます。

 

血圧の測定法

血圧は基本的には上腕動脈で測定します。

 

方法としては自動血圧計を使った「機械による血圧測定」と水銀血圧計やアネロイド血圧計に代表されるポンプ操作と聴診器を用いた「一般的な血圧測定」があります。

機械では不整脈など脈が不安定なケースでエラーがでやすく、あくまで目安程度になります。

 

正確な測定では、必ず一般的な血圧測定を用います。

 

ただし機械では素早く脈拍も同時に測定できるメリットがあるため、よく用いられています。中には精度の高い機種もあるため、機械も様々な場面で使われています。

 

使用者は、その特徴をしっかり理解して使用する必要があります。

 

使用方法はカフといわれる圧をかけるためのチューブを腕に巻き付けて加圧していきまます。そしてそのカフ圧を徐々に下げていくことで測定できます。

この際、上腕動脈から聞こえてくる、コロトコフ音を聴取し聴こえ始めを収縮期血圧、聴こえなくなったところを拡張期血圧とします。

 

どこまで加圧していけばいいかは、橈骨動脈を予め触診しておき、消失するあたりを目安にします。

 

数値そのものより変動が大事

脈拍数の管理も同様ですが、数値そのものより安静時に比べてどの程度変動しているかが重要です。

 

また日々の経過を確認して、通常どの程度なのか把握しておくことで病態の変化に気づくきっかけになります。

 

ちなみにアンダーソン・土肥の基準では、安静時に収縮期200以上、拡張期120以上では運動を開始せず、運動中に収縮期40以上上昇、拡張期20以上上昇した場合に中止するとされています。

安静時の血圧把握と、運動中の変動の幅を常に管理する必要があります。

 

また、日本リハビリテーション医学会の基準では安静時の収縮期が200以上に加えて「70以下」の場合が追加されています。拡張期は同様に120以上です。

これらでは運動を開始しないとなっています。

運動時に中止する際の変動幅は同じです。

 

虚血性心疾患の運動処方(進行基準)では収縮期30以上上昇または20以上低下しないことが挙げられています。

(厚生省「循環器疾患のリハビリテーションに関する研究」班に基づいた進行基準)

 

運動時の血圧変動

運動時には、静脈還流量増加や交感神経の興奮が起こり、心拍数や心拍出量が増加します。そのため収縮期血圧は増加していきます。

 

それに対して、末梢の組織は多くの酸素を必要とするため、それを運ぶ血液をより流しやすくします。つまり血管は拡張し、血管抵抗は下がります。

なので、拡張期血圧はそれほど増加しないかあるいは少し下がるのが通常です。

 

ATポイントを超えるような負荷でなければ、数分運動を継続していれば拡張期血圧はむしろ下がるケースがあります。

 

この血管拡張に対して、身体は心拍出量を高めて血圧を維持しようとしますが、廃用や脱水、心機能の問題などがあるとそれができません。(あるいは自律神経や内分泌障害などによる血管コントロール能が落ちている場合も血圧維持に影響してきます。)

 

そのため血圧が下がるということが起きてきます。

 

高齢者の高血圧のリスク

臨床では「高血圧症」と診断されている患者さんに多く出会います。

このような場合どのようなリスクがあるのでしょうか。

 

高齢者では、加齢に伴う動脈硬化などにより血圧調整機構や自律神経の機能低下がみられることがあり一般的に「血圧変動」が起こりやすいと言われています。

 

そこに臥床期間が長いケースでは廃用症候群が加わりより変動が大きくなっている場合もあります。

 

高齢者では年齢と日中臥床時間から血圧変動のリスクを理解して、リハビリを進めていかないといけません。

また、体位変換時の起立性低血圧なども転倒リスクにつながるため、心肺の負荷だけでなく転倒にも注意しておきましょう。

 

脈圧と平均血圧とは?

収縮期血圧拡張期血圧の差を「脈圧」と言います。

つまり脈圧=「収縮期血圧拡張期血圧」で計算できます。

「脈圧」とはその名のとおり、脈の触れる強さです。

脈圧の値が大きいければ脈は強く触れ、小さければ弱く触れます。

 

この脈の大きさが大小交互に変動することを「交互脈」といいます。

 

また、脈圧は「平均血圧」の算出時にも使用されます。

 

平均血圧=「拡張期血圧+1/3×脈圧」で計算できます。

これは心拍動1周期中の動脈圧の変動の平均を表しています。

 

おおよその平均血圧を知りたい場合有用になります。 

 

脈拍により大まかな血圧を知る

脈拍は心臓の心拍が末梢に届いたことにより、蝕知できます。

このことを利用して、どの血管で脈を触れていればおおよそどの程度血圧が保たれているか知ることができます。

 

ただし、通常では脈拍を触知できる血管間で差はないため、血圧低下をきたした緊急時での方法になります。

 

総頚動脈で触れるのは60mmHg以上

大腿動脈で触れるのは70mmHg以上

橈骨動脈で触れるのは80mmHg以上

と言われています。

 

つまり橈骨動脈で脈が触れなくなった時点で、80mmHgを下回っている可能性があり、リハビリを開始できない可能性があるということです。また、急にこのような事態に陥った場合は、Drに必ず報告しなければいけません。

 

自動血圧計でエラーが出る場合は必ず、聴診器にて正確な値を測定し直してておきましょう。

 

前負荷と後負荷

心臓と血流の関係を、考えるとき前負荷・後負荷という考え方があります。この負荷は血圧と密接に関係するため知っておく必要があります。

 

静脈から心臓に戻ってくる血液量を「前負荷」といいます。Frank-staringの法則でも有名ですが、戻ってくる静脈量は心臓を引き伸ばす量に比例し、心筋が伸ばされるほど強く収縮できるます。

 

心臓の問題がないのに血圧が下がりやすい場合、あるいは運動時にも血圧が下がる場合には前負荷の問題がないか考える必要があります。

 

前負荷の変化には、脱水などで血液量自体が減っている場合や、筋ポンプ・腹圧低下や血管収縮能の低下により静脈が十分戻ってこない場合、または心臓自体の問題(不整脈や弁、右室機能低下などにより左室に十分血液が送れない)などが関係してきます。

 

心臓の問題がない場合は、廃用による影響が疑う必要があることを知っておくと、理解が深まります。

 

上記に対して、心臓の出口(左心室)から先の抵抗を「後負荷」と言います。前負荷がどれだけ戻ってこれるかなのに対して、後負荷はどれだけ出せるかになります。

 

後負荷は、血圧が高い状態と関係が深くなります。なぜなら、血管の抵抗が高いということは血圧が高い状態を指すからです。

 

これは血管の拡張機能の低下した場合や自律神経や内分泌性による血圧コントロールが低下している場合、そして動脈硬化などによる血管の硬化がある場合、または心臓自体の問題(心筋の肥厚や弁の狭窄)などが関係してきます。

 

後負荷では心臓の問題に加えて、血管自体の問題を疑う必要があります。

 

特に高齢者では上述したように、血管の硬化やコントロールがうまくいっていないケースが多く、高血圧を呈することがよくあります。

 

(自律神経に問題がでてくるケースは、例えばパーキンソン病や糖尿病など)

 

まとめ

今回は血圧測定の基本についてまとめてみました。

血圧の測定では、変動を観察することが重要で、その変動が危険なものかどうかをある程度判断していく必要があります。

 

リハ職には、運動負荷による変動をDrや看護師に報告し、適切な負荷量を設定していくことが求められます。

 

生理学的なことは難しいですが、安全にリハを実施していくため、今後もリスク管理の理解を深めていきます。

 

国家試験に頻出!楕円関節(顆状関節)まとめ

関節と一口にいってもじつは部位によって様々な形を持っています。

解剖学の初歩として、この関節の形を大まかにグループ分けした「関節の形による分類」が有名です。

今回はその中でも、国家試験でも問われやすい楕円関節(顆状関節)についてまとめてみます。

楕円関節=顆状関節

楕円関節と顆状関節はじつは同じです。

しかしどちらもよく使われるために、かなり混乱します。

 

まずはこの2つの名前が同じものだという事を頭に入れましょう。

 

どんな形の関節?

形のイメージは「楕円関節」という名称がよく表していると思います。

 

球関節のように球体ではなく、楕円なのです。

球関節が野球のボールとしたら、楕円関節はラグビーボールのように少し長く細い形に崩れた感じです。

 

球関節と言えば肩関節が有名ですが、楕円関節で有名なのは橈骨手根関節です。

この手根とは舟状骨や月状骨のことで、これらが橈骨の関節窩の上を滑走します。そしてこれらの手根骨の関節面は細長い円形です。

 

では顆状関節とはどういうことなのでしょうか?

「顆」という言葉は、骨の突起(特に丸い突起)によく使われます。

肘関節周囲の内側上顆や外側上顆が有名です。

 

その丸い突起に近い形状ということから顆状関節とも表現されます。

 

2軸性関節

細長い丸い円形の関節であるため、縦に長く動けますが、横には短い距離しか動けない特徴があります。そのため、球関節よりやや自由度が劣る(あるいは安定しているとも言えますが)ため2軸の動きが可能となります。

 

楕円関節(顆状関節)は2軸性関節です。また運動自由度2となります。

 

どんな関節がこの形になってるの?

楕円関節(顆状関節)が国家試験などでよく問われるのは、有名な関節が数多く含まれるからです。以下に紹介していきます。

 

①環椎後頭関節

・・・第一頸椎と後頭骨の間の関節です。

②橈骨手根関節

・・・先ほど紹介しました。手関節と言えばこの関節になるので、よく問われます。

③手根中央関節内側部

・・・手根骨の間の関節です。ちなみに手根中央関節外側部は平面関節です。

④中手指節間関節

・・・MP関節のことです。これもよく問われます。

⑤距骨下関節

・・・いわゆる足関節です。肩・肘・手関節、股・膝・足関節といったメジャーな場所はやはり問われやすい傾向にあります。

⑥顎関節

ここは関節円板をもっているという特徴があり、よく問われやすいです。

 

まとめ

今回は楕円関節(顆状関節)についてまとめてみました。

多くの有名な関節が、この形状となっているため優先的に覚えることをおすすめします。

 

関節の形による分類を総まとめした記事です。よければ一緒に読んでみてください。

pthari.hatenablog.com

 

【リハビリ】代謝とは?運動負荷の理解で重要な嫌気性代謝と好気性代謝まとめ

代謝」ってよく聞く言葉ですが、リハビリではどのような場面で関わってくるのでしょうか。

今回は運動時の代謝について、整理してみます。

 

代謝とは?

代謝とは新陳代謝の略称で、要は「エネルギー」とそれに代わる「物質」の等価交換です。

この代謝は大まかに「異化」と「同化」に分けられます。

 

「異化」とは物質を分解してエネルギーを得ることです。

(物質→エネルギー)

 

「同化」とはエネルギーを消費して物質を得ることです。

(エネルギー→物質)

 

このエネルギーと物質間の変換サイクルを「代謝」と言います。

 

代謝はどこで行われるの?

代謝は主に「細胞内」で行われます。

つまり細胞で起こる物質とエネルギーの交換を「代謝」と表しています。

 

ではこの物質とは具体的に何のことでしょう?

これは糖や脂肪といった「栄養」と「酸素」です。これらは血液を介して細胞に運ばれてきます。

 

ヒトではこれらの物質を分解して、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギーを得ます。

 

このエネルギーがあることにより運動を行うことができます。

例えば骨格筋では筋細胞でこの代謝が行われることにより、筋収縮を起こすことができます。

 

嫌気性代謝と好気性代謝とは?

ここまで、代謝でエネルギーを作るには材料となる栄養と酸素が必要であることをまとめました。

 

この「酸素」を使っての代謝を「好気性代謝」、「栄養」を使っての代謝を「嫌気性代謝」と言います。

 

言い換えれば嫌気性代謝とは酸素が不足している状態で、ATPを作る状況を言います。

 

それに対して、好気性代謝は嫌気性代謝により得られた物質も利用するため、栄養と酸素がある状況でしか行えません。

しかし、非常に効率のいい代謝であるという特徴があります。

 

この二つは、運動では有酸素運動無酸素運動という言葉で表現されていたりします。

 

嫌気性代謝と好気性代謝は行われる場所も違う

嫌気性代謝は細胞内の「細胞質」というところで行われ、「解糖系」という代謝経路を経ます。

 

それに対して、好気性代謝では、細胞内の「ミトコンドリア」というところで行われます。また、代謝経路としてはTCA回路(クエン酸回路)→電子伝達系→酸化的リン酸化という流れを経ます。

 

嫌気性代謝は、その名のとおり糖を使ってすぐにエネルギー(ATP)を作れますが、たった2個のATPしか得れません。

 

それに対して好気性代謝は時間はかかるものの30~32個のATPを得ることができます。

ただし、嫌気性代謝(解糖系)で副産物として得られる「ピルビン酸」と血液により運ばれてくる「酸素」が必要になり、最低2~3分の時間がかかると言われています。

 

運動をするとどのような代謝が起こるの?

では具体的に、運動時にはどのような流れで代謝が起こってくるのでしょうか。

まず短時間の運動では、最初に嫌気性代謝(解糖系)が起こり、糖質を消費してATPを作ります。

 

それが2~3分休憩なく続けば、徐々に好気性代謝(TCA回路~酸化的リン酸化)が起こり始め効率よくATPを作り続けられます。

 

しかし、これには酸素が十分に供給されている必要があります。

 

つまり運動負荷上がり、酸素不足に陥れば好気性代謝が追い付かなくなってきて、嫌気性代謝が主体となってきます。

 

この好気性代謝主体から嫌気性代謝主体に切り替わるポイントを「ATポイント(嫌気性代謝閾値)」といいます。

 

ATポイントを超えると、息切れが始まり、筋の疲労感も起こってきます。そして、好気性代謝で使われるはずだったピルビン酸が余ってきてそれが乳酸に変わります。

この乳酸の蓄積により身体のphがアシドーシスに傾くため息切れや、筋疲労が起きると言われています。

 

このATポイントを超えない運動が、いわゆる有酸素運動ということになります。

 

高齢者ではどうなるの?

つまり代謝の能力はすなわち体力ということになります。

ATポイントが高い人ほど、余裕で運動を続けれるわけですから要は体力があるということになります。

 

では高齢者ではどうでしょうか?

高齢者では多くが活動不足となり運動不足です。こうなるとミトコンドリアの量自体が減ってしまいます。そのため酸素の量が十分でも、処理するミトコンドリアが足りないということになります。

なので体力が若年者より低くなってしまうことが多いです。

 

それに加えて、心肺機能の低下があり、血流が酸素を運ぶ力も低下しています。

 

また、これらの特徴は臥床期間が長い廃用の進んだ人ではより顕著となります。

さらに心疾患があれば、心機能が低下し酸素を運ぶ力は落ちますし、呼吸器疾患では酸素を対外から取り入れる力そのものが落ちてより状況は厳しくなります。

 

そのため、高齢者で廃用や疾患の既往のある患者さんでは運動を処方する上で、バイタルサインの管理がとても重要になってきます。

 

低栄養のリスク

また、酸素だけでなく栄養が少ない場合も問題が起こります。

低栄養が持続すると、肝臓や筋肉に貯蔵されるグリコーゲン(糖)が枯渇します。

この結果、嫌気性代謝において必要な糖が不足します。

 

また、この状態で運動を実施すると、無理にエネルギーを作るために、筋などのタンパク質を分解して糖を作る必要がでてきます。(糖新生)

そうなると運動をしているのに、筋肉が痩せていくことになります。

 

酸素だけでなく、栄養の不足がある場合には、負荷量に特に注意しなければいけません。

 

まとめ

リハビリでは運動の負荷量調節は非常に重要となってきます。

その際、代謝を理解しておくことはより深く状況を理解することにつながります。

 

実際の臨床では血圧・脈拍やSpo2といったバイタルサインで管理することになりますが、これが基準を超えているかだけでなく、著明な変化を表したときにどのようなリスクがあるのか理解していくことが大切だと考えています。

 

非常に理解が難しいですが、今後も勉強を続けていきます。

 

 

 

【リスク管理】脈拍測定の基本まとめ


リハビリを実施する際、バイタルサインの確認は重要になります。

介入できるかどうかの判断材料にしたり、運動時の負荷量が適切か確認するなど毎日の臨床で必ず測定する場面が出てきます。

 

しかし、測定した数値から心肺の状況を判断することはなかなか難しいです。

 

今回は自身の勉強のために脈拍測定の基本をまとめてみます。

 

脈拍(脈拍数)

脈拍数(あるいは心拍数)とは「一分間の拍動数」を指します。

成人の安静時脈拍数は60~100/分(bpm)で、これが正常値になります。

これが60以下になると「徐脈」、100以上になると「頻脈」と呼ばれます。

 

脈拍の測定法

脈拍は橈骨動脈に触れ、1分間測定して何回拍動したかを記録します。

簡易に15秒で測り4倍したり、30秒で測り2倍したりすることもあります。

ただし不整脈があるケースでは1分間で測定することが望ましいとされています。

 

数値そのものより変動が大事

血圧も同様ですが、数値そのものより安静時に比べてどの程度変動しているかが重要です。

また日々の経過を確認して、通常どの程度か把握しておくことで病態の変化に気づくきっかけになります。

 

ちなみにアンダーソン・土肥の基準では安静時脈拍120/分以上ではリハを実施せず、運動中140/分以上を超えれば運動を中止するとなっています。

運動中の120/分以上は回復を待って再開になっています。

 

さらに日本リハビリテーション医学会の基準では安静時脈拍40/分以下では積極的にリハビリを行わないという項目も追加されています。

 

虚血性心疾患の運動処方(進行基準)では120/分以上または40/分以上増加しないことが挙げられています。

(厚生省「循環器疾患のリハビリテーションに関する研究」班に基づいた進行基準)

 

この辺は知っておいて損はないと思いますが、実際の臨床では患者さん個人で管理する数値が違い、医師に相談しながら進めるケースが多いと思います。

そのため、これらの基準に当てはめるということよりも普段の数値の把握とそこからの変動を観察しておくことが重要となってきます。

 

脈拍数と心拍数の違い

「脈拍数」は橈骨動脈などの末梢血管の拍動数であり、「心拍数」は心臓そのものの拍動数となります。(心拍数はモニター心電図や聴診器で測る必要があります。)

 

つまりセラピストが臨床で測定しているのは脈拍(脈拍数)ということになります。

 

カルテに記載する時は脈拍数(pulse rate)、心拍数(heart rate)のためPR、HRなどと書かれる場合があります。また看護師によってはレートと表現されたりします。

 

この心拍数と脈拍数に差がある(脈拍数が少ない)ことを「脈拍欠損」といいます。

これは例えば心電図での心拍数の数値と自分が測った橈骨動脈での数値に差がある場合などです。

これは心臓が拍動しているにも関わらず、有効な血流を末梢の血管に送れていない状態で、いわゆる空うちしていることを指します。

この空うちの数は心拍数と脈拍数の差分の数になります。

これにより心機能の低下を知ることができます。

 

末梢に血流を送れてないという意味で、徐脈に近い状態になります。

 

また、脈拍欠損を最も起こしやすい不整脈として心房細動が挙げられています。

 

交互脈

これは強い脈拍と弱い脈拍が交互に起こる場合を言います。

弱い方の脈拍は触れにくく、結果的に脈拍数は下がってしまいます。

結果的に心拍数と脈拍数に差ができてしまい脈拍欠損となることがあります。

 

交互脈の特徴としては、強い脈拍がある程度あるために、血圧は保たれている場合があるということです。

血圧が正常でも、脈拍に注意する必要があります。

 

どのように心拍数を管理するの?

上記のような特徴を知っておいた上で実際どこまでの脈拍数変動を許容するかという所なのですが、医師に相談しつつリハ職としても基準を持っておく必要がります。

 

そこで目標心拍数の計算が必要になってきます。

いわゆるkarvonenの式を使います。

 

まず計算を行う前に準備しておく必要があるのは「最大心拍数」と「安静時心拍数」です。

 

安静時心拍数は患者さんを測定すれば容易に調べられますが、最大心拍数はなかなか測定が難しいケースも多いのではないでしょうか。

 

なぜなら高齢の患者さんをそこまで追い込む必要があるからです。

最大心拍数とは運動の負荷量を増加させてもそれ以上増加しない心拍数を言い、洞結節の刺激頻度の限界を表します。

 

また測定するにもCP-Xなどの負荷試験の設備がなければ困難です。

 

そこで簡便な式による予測最大心拍数を算出します。

 

これは「220-年齢」の式に当てはめて計算します。

 

これをもとにkarvonenの式で目標心拍数を出していきます。

 

karvonenの式(目標心拍数)=「(最大心拍数-安静時心拍数)×k+安静時心拍数」です。

 

このkとは運動強度のことで、低心機能では0.3~0.5、通常心機能では0.6と言われていますが、患者さんに合わせて選びます。

 

文献により異なりますが、例えば生活習慣病などの因子を持つ人では0.2~0.4が妥当との報告もあり、症例に合わせて文献を調べる必要があります。

 

不整脈の場合は自動血圧計ではエラーがでやすい

不整脈とは心房細動や期外収縮などに代表されるもので、その名の通り脈が不整にになります。こうなると一定のリズムではなくなるため、自動血圧計ではエラーが出やすくなります。

 

そのため徒手的に1分間かけて計測する必要があります。

 

これら不整脈のうち心室頻拍(VT)や心室細動(VF)は心臓の収縮が早すぎて空うち状態になり有効な脈が生じません。

また徐脈も危険な不整脈であり、逆に次の心臓の収縮までが遅いため血液が末梢に送れず、脈拍数が減ってしまいます。

 

これらのリスクがある人は心電図が装着されているケースがほとんどですが、何らかの原因で橈骨動脈の脈拍数があまりに減っている場合には注意が必要です。

 

また不整脈に限らず、運動後に脈拍が弱くなるようなケースでは、血圧低下と同じく負荷量が過多になっているケースがあるので注意が必要です。

 

まとめ

今回は大まかにですが脈拍測定についてまとめてみました。

自分の勉強のためですが、参考になれば幸いです。

リスク管理は難しいですが、今後も理解を深めていきたいと思います。

 

 

【理学療法】回復期病院での基本動作評価と病棟ADL設定のポイント!

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回復期病棟に入棟される患者さんの状態は千差万別です。

それこそ歩行がスイスイできる人から寝たきりの人まで様々です。

 

このような回復期病棟においてセラピストに求められるのは、「現状の能力の把握」とそれに基づいた「ADLの設定」です。

 

誰に求められるかといえば、主に医師・看護師です。また、患者様やご家族に説明する場面もあるかもしれません。

 

他職種との連携の際に、この部分で意見できなければセラピストの役割を果たせていないと言われても仕方ありません。

また患者様やご家族にしっかり説明できなければ信頼関係が築きにくくなります。

 

しかし、このADLの設定が非常に難しい部分でもあります。

 

今回はリハ職として臨床で求められるADLの設定についてポイントをまとめてみます。

※ADL設定については病院ごとに違いがあり、あくまで一例であることに注意して下さい。

 

まず現状を評価する

回復期病院あるいは病棟に入院・入棟時、最初の介入では評価を実施して病棟ADLの設定を行う場面があります。

ADLの評価?と思うかもしれませんがまず最初に評価するのは基本動作能力です。

 

寝返り動作、起き上がり動作、起立動作、座位といった起居動作の評価に始まり、移乗動作、立位、歩行とその能力を把握していきます。

 

最初の内はこれらを予め羅列しておき、自立レベル・介助レベル・見守りレベルの三つを当てはめていきます。

 

その上でADLを想起していきます。

 

まず座位と移乗を評価してみる

慣れない内はADLを漠然と想起するのは難しいです。

そこでおすすめなのは座位保持ができるのか、移乗できるのかの二点に絞って見てみることです。

 

なぜなら「座位」と「移乗」はADL上ポイントになるからです。

 

ADLといえば食事・更衣・整容・トイレ・入浴のselfcare5項目と移動を主に見ていく事になります。

 

FIMを見ればわかるのですが、これらの項目が含まれているだけではなく、移乗は詳細に「ベッド・椅子・車椅子」「トイレ」「浴槽・シャワー」とそれぞれの移乗に点数付けされるようになっています。

 

これは「移乗能力」がトイレや入浴、そして日中のベッドからの移乗の際に重要なポイントとなってくるからです。

 

そして座位保持は、これらの場面で当然できていなければ目的を遂行できません。

「トイレ」で用を足すにも、「入浴」時に身体を洗うにも座位保持が必要になります。

それどころか、「食事」でも椅子や車椅子で食べれるかどうかの判断ポイントになってきます。

座位保持ができなければ、食事はベッド上ギャッジアップとなってしまいます。

 

トイレもオムツになり、入浴もストレッチャー浴や機械浴といった寝たままのものになってしまいます。

 

つまり、座位保持と移乗ができるだけで生活範囲はずいぶん広がります。

 

ここをまず評価してみるとわかりやすいかもしれません。

 

起居動作を評価する

次に見ておくべきなのは、起居動作です。

これらはベッド上での生活のどこに介助が必要なのか、他職種に伝えるために重要です。

寝返りがうてなければ、ベッド上で体動がないわけですから褥瘡リスクが高まったりします。そのため定期的に体動を介助したりポジショニングする必要がでてきます。

起き上がりも、全介助で起こせば病院生活上問題は無いですが、他の基本動作獲得につながる貴重な運動の機会なので、できるだけ自分でやってもらうためのポイントを病棟スタッフに伝えておく必要があります。

例えばギャッジアップすれば可能であったり、少しの工夫でできる場合もよくあります。

 

排泄コントロールを見ておく

FIMでも排泄コントロールは個別に点数づけされていますが、尿意・便意は非常に重要なポイントになります。

これで自宅に帰れるかどうかが決まるケースもあるくらいです。

 

多くは認知面の問題などによりトイレに行きたいと自分でわからない場合があります。

 

こうなると当然、失禁や排便してしまう可能性が高まります。

 

じつは排泄コントロールの状況により決める病棟ADLのポイントがありここがけっこう重要です。

 

尿意・便意があって移動能力が自立していれば、そのままトイレ自立です。

 

次に尿意・便意があって移動能力が介助レベルならナースコール対応となります。

ナースコールで介助者を呼んでもらえば、失禁せずに日常生活を送れるわけです。

 

しかし、尿意・便意が無いかもしくはムラがある場合は、最悪オムツとなります。

もしくは時間誘導によってコントロールできる場合もあります。

 

このように、尿意・便意の有無によって介助の必要性がずいぶん変わってしまいます。

 

FIMではこれらに個別に点数付けしているのですが、改めて本当によくできているなと感じます。

 

しかし尿意・便意の有無はその場では評価できません。

リハビリのたびに尿意・便意を催すことがないか確認していくとともに、看護師に生活状況を確認して判断していくことになります。

 

実際に動作をみる

ある程度、基本動作能力が把握できてADLのイメージがついたら、実際に生活場面をみてみます。

トイレまで実際にいってみたり、入浴を確認したりしてみます。

ここで一連の動作を確認して、できるのかできないのかを判断するとともに、できなければなぜできないのかを考えていきます。

 

この際、予め座位時間がどれくらいとれるのかを把握するなど、生活場面をイメージして準備しておくことも大切になります。

 

大まかな病棟ADLまとめ

これは病院によって様々ですが、一例として今まで紹介したADL設定のポイントをまとめてみます。

 

【トイレ動作】

便意・尿意あり+移動自立→トイレ内動作自立→トイレ自立

便意・尿意あり+移動自立→トイレ内動作介助(下衣更衣など)→トイレ内動作介助

便意・尿意あり+移動介助→トイレ内動作自立→コール対応・トイレ内動作自立もしくはポータブルトイレ検討

便意・尿意あり+移動介助→トイレ内動作介助→コール対応・トイレ内動作介助

便意・尿意なし+移動介助→トイレ内動作介助→時間誘導もしくはオムツ

 

【入浴動作】

①座位保持・移乗自立→座位にて入浴→身体を洗う能力によって入浴動作自立か介助か判断

②座位保持自立・移乗介助→座位にて入浴し一部介助

③座位保持困難・移乗介助→ストレッチャー浴もしくは機械浴

 

【食事動作】

①座位保持可能→椅子または車椅子で食事

②座位保持困難→ベッド上ギャッジアップ

 

※これらは工夫や環境の変化によって、改善できる場合もあります。大まかなイメージとして捉えてください。

 

 FIMの内容を理解する

上述のように基本動作能力から病棟ADLを想起できるようになったら、FIMの点数付けを理解していきます。

例えばトイレ動作では下衣を上げる・下げる・お尻を拭くなどの項目がどれだけできているかで点数付けされます。

回復期では常にFIMをつけることになると思いますが、ADL評価時にこれらの項目が評価できればよりADLの理解が深まります。

 

移動能力を評価する

ここまで評価できたら、立位バランスの能力や移動手段の選定を評価していきます。

ここでは転倒リスクに直結してくるため、例えばTUGなどの指標を使ってある程度根拠を持って判断する必要があります。

他職種に伝える際、移動手段は転倒リスクに直結するため根拠を求められることも少なくありません。

 

できない動作の問題点を考える

病棟ADLを決定しただけでは、ただ状況を判断したにすぎません。

そこからセラピストとして、どのように介入していくか判断していく必要があります。

 

つまり評価した中で見つかった問題点について原因追究し、最終的にできなかった動作を可能な範囲で出来るようにしていくことが重要です。

 

また、今後の転帰先や元々の能力を考慮した「目標設定に基づいた問題点」であることが重要です。

 

他職種に相談する

以上のように評価・決定した病棟ADLは、常に病棟スタッフと共有し、話し合いを重ねていく事が重要です。

リハ職の視点と他職種の視点は違いますし、業務の優先度も違います。

その中でお互い折り合いをつけて、患者さんにとってよりよい方向性を常に模索することがなにより大切になります。

 

 

まとめ

今回はADL設定の際のポイントについてまとめてみました。

病院によって基準は様々だと思いますので、一例として捉えてください。

リハ職としては、専門性を発揮するポイントになりますので、今後も勉強を続けていきたいと思います。

 

 

【理学療法】リラクゼーションやストレッチってなんでするの?

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よく「もみもみセラピスト」なんて比喩されますが、リラクゼーションやストレッチは重要な治療手段です。目的があれば、これらの手技はとても効果があります。

ただの慰安として医療の場面で行われることが問題視されていますが、その重要性を再度臨床で感じたのでまとめてみます。

 

 

ラクゼーションとは?

ラクゼーションとは筋の過緊張を緩和することで、皮膚や筋肉などの軟部組織を「ほぐす」ことです。

無意味にほぐすことは慰安でしかなく、リラックスさせるだけでは目的として不十分です。(医療現場以外でサービスとして実施することを否定しているわけではありません。)

 

それに対して、筋の過緊張が生じ筋の出力がうまくいかない場合や、過緊張により筋肉の痛みが生じている場合は非常に有効な手段になります。

 

例として大腿骨頸部骨折や転子部骨折の術後(THAやORIF)などの股関節の手術後では、術部の痛みのために周囲の筋肉に防御収縮が起こりより痛みを悪化させ筋の出力が困難になっている場合がよくあります。

 

こうなると、ベッド上で自動運動をしただけで強い痛みが生じることもあります。また立位がとれるようになっても術測荷重時に痛んだり、うまく筋収縮を起こせないということが生じます。

 

このような場合、まず筋や術部周囲の組織をリラクゼーションし、筋出力を発揮できる状態を作っていくことは重要な介入になります。

 

筋スパズム(spasm、攣縮)とは?

上述したような筋の過緊張により「圧痛」が生じた場合、筋スパズムという表現を使います。

このスパズムでは骨格筋の単収縮が不随意に起こって細かな痙攣性の収縮が絶えず起こり、筋肉を緩めても(起始と停止を近づけても)筋緊張が高いままの状態といわれています。

 

これに対して、リラクゼーションは有効とされています。

では硬くなった筋は全部リラクゼーションすればいいのでしょうか?

 

「筋スパズム」と「筋短縮」を区別する

筋スパズムは防御収縮などで過緊張が起こって圧痛が生じている状態です。特徴は自動運動で筋収縮を起こすと痛みが生じることです。

これは一つの運動単位で動く筋肉群を制御できないために起こる、神経学的な変化と言われています。

 

これに対して他動運動で伸張を加えて痛みが生じる場合は、筋短縮といいます。

筋短縮は、筋肉そのものの組織的変化と言われていて筋スパズムとは原因が異なります。

 

この短縮の場合、アクチンやミオシンといった筋節内の滑走性がコラーゲンの網掛けなどにより阻害されているため、持続的な伸張刺激が有効です。そこでストレッチが有効になります。

 

ストレッチの主な目的は関節可動域の改善です。

筋出力の発揮を改善するかどうかについては一致した見解を得られていないのが現状です。

 

短縮は「拘縮」や「筋萎縮」と何が違うの?

短縮と似た言葉として、拘縮や筋萎縮があります。

これらはどれも、筋肉が硬くて伸びにくい状態をイメージさせますが、状況は全く違います。

「拘縮」では、短縮が長期に渡り固定されてしまった状態で短縮のように可動域が容易に戻りません。また、これがさらに進行し全く可動性が無くなり不可逆性となった場合、「強直」と表現されます。

 

また、筋萎縮とは短縮が筋節の滑走性低下なのに対して、筋萎縮とはその筋節の集合である筋線維(筋細胞)自体が縮小したり、数が減ったりする状態です。

つまり筋線維(筋細胞)が痩せて、数が減った状態です。

 

短縮のように動きにくくなっただけの状態とは異なります。

 

この萎縮に対しては栄養の摂取と運動が必要になります。損傷しやすいためストレッチやリラクゼーションは慎重に実施する必要があります。

 

まとめ

今回は例えば、筋スパズムに対してはリラクゼーション、筋短縮に対してはストレッチと原因ごとに対処して、結果的に機能面を改善させることが重要だということを簡単にですがまとめてみました。

無目的に慰安で行うのでなければ、どちらも有効な手段ではないかと思います。

【解剖学・生理学】中枢神経まとめ。

中枢神経とは「脳と脊髄」のことです。

これらの中に「灰白質」と言われる細胞体の塊と「白質」と言われる軸索の塊があり、場所ごとに名称がつけられています。

 

そしてそれらを繋ぐ、上行性、下行性の経路は伝導路と呼ばれ、役割ごとに分類されています。

 

この伝導路の終末は前角細胞や後角細胞(例外はあります)であり、そこから末梢神経に変わります。

 

中枢神経を理解するには、まずそれぞれの部位を整理して、次に伝導路がどう走行して対応する末梢神経に繋がるかを知ることが重要になります。

 

最初は大まかな全体像から説明していきます。

 

 

 

中枢神経の全体像

 

①大脳皮質

大脳基底核

    間脳(視床視床下部

③脳幹(中脳・橋・延髄)

④小脳

⑤脊髄

 

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これらが全体像となります。

この①~⑥それぞれに枝葉のように覚える項目があるのですが、まずはこれらの位置関係と名称を整理することが重要です。

 

中枢神経の理解が難しく感じる理由の一つに、他の臓器に比べてイメージしにくいという点が考えられます。

そのため、この①~⑥のどの部位の詳細を覚えているのか常に照らし合わせて整理していくことが理解のポイントになってきます。

どこを覚えているのか迷子にならないように常にこの全体像に立ち戻って覚えていきましょう。

 

大脳皮質

これは脳の表面の薄皮のことであり、その表面に灰白質という神経細胞の塊が覆っていて、これを大脳皮質といいます。

 

大脳は重要な部位になりますが、じつは表面の薄皮がもっとも重要になります。

 

内側にも視床大脳基底核といった灰白質の塊があるのですが、内側を構成するのは主に軸索です。

つまり脳は表面の薄皮以外はほとんど通り道である軸索で構成されています。

 

なので稀少な灰白質の部分はすべて重要となります。

その中でも大脳皮質はとても重要な機能を担っているため、しっかり覚える必要があります。

 

ではこの大脳皮質について整理していきます。

 

 【大脳の機能局在】

大脳皮質には機能局在と呼ばれるマップが存在します。

つまり場所ごとに大まかに機能がきまっているのです。

まずはこの機能局在を理解していきます。

 

①一次運動野(中心前回)・・・4野

②一次感覚野(中心後回)・・・3.2.1野

③一次視覚野(鳥距溝)・・・17野

④一次聴覚野(横側頭回)・・・41野、42野

⑤ブローカ言語中枢(運動性言語中枢)・・・三角部

⑥ウェルニッケ言語中枢(感覚性言語中枢)・・・縁上回・角回

 

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数字で書いているのは、ブロドマンの地図といわれる分類で、こちらの表記もよく使われます。

 

次に、あまり理解の優先度は高くありませんが、これらの他にも名称がついている部位があります。一緒に整理しておきます。

 

①補足運動野・・・6野

②運動前野(二次運動野)・・・6野

③前頭眼野・・・8野

④二次感覚野

⑤二次視覚野

⑥二次聴覚野

 

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では、これら以外の空白の場所はどうなるのでしょうか?じつはこれらはすべて「連合野」呼ばれる部位になります。

ここではそれぞれの~野で理解された情報が統合される場所になります。

 

我々が感覚を感じた後、それぞれを総合的に理解して認識します。そのためにそれぞれの感覚がリンクする場所が必要というわけです。

 

この連合野では、高次脳機能(認知・行動・制御・思考・記憶)を司るといわれ、大脳皮質の75%もの面積を占めると言われています。

 

 

運動前野と補足運動野は聞きなれない用語ですが、運動の命令を送る際に一次運動野とともに重要な役割をする部位です。

 

運動前野・・・視覚情報を経験に基づいた熟練運動に変換する部位と言われます。

補足運動野・・・記憶に基づいた連続運動に関与する部位と言われます。

 

ここまでは「脳の機能」についての名称を整理してきました。

 

次はややこしいのですが、解剖学的な「脳の形」に付けられた名称を整理します。これも一緒に覚えておかなければいけません。

 

【大脳の葉】

前頭葉

頭頂葉

後頭葉

④側頭葉

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また、脳の凹凸を脳溝と脳回といいますが、これらにも名称がついています。

 

【脳溝・脳回】

①中心構(ローランド構)

②外側構(シルビウス溝)

③頭頂後頭溝

④上前頭溝

⑤下前頭溝

※上前頭溝、中前頭溝、下前頭溝

⑥上側頭溝

⑦下側頭溝

※上側頭溝、中側頭溝、下側頭溝

⑧三角部

⑨縁上回

⑩角回

【図】

 

この内、①②③は脳の位置関係を理解するためによく使われるため知っておく必要があります。

また、⑨⑩は疾患の理解のために重要となってきます。

 

【メモ】

左縁上回の障害→観念運動失行

左角回の障害→観念失行、Gerstman症候群、失読、失書

 

これらの大脳皮質の主要な部位を覚えたら、次は血管の分布を覚えておく必要があります。

大脳皮質の理解で重要なのは、先ほどの機能局在(~野)、形の名称(~葉・脳溝、脳回)、そしてこの血管分布図の三つを重ねてイメージできるようになることです。

 

これができるようになると、大脳皮質の全体像がわかるだけでなく、脳卒中の際の損傷部位と症状の関連を理解できるようになります。

なので臨床的にも非常に重要な知識です。

 

脳の血管分布を知るにはまずウィリスの動脈輪を理解しましょう。

 

 【ウィリスの動脈輪】

①内頚動脈

②前大脳動脈

③中大脳動脈

④椎骨動脈

⑤脳底動脈

⑥後大脳動脈

⑦前交通動脈

⑧後交通動脈

【図】

 

そしてこの内、もっとも末端になるのが前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈です。ここから皮質枝といわれる細い枝が大脳皮質の表面まで分布して、大脳皮質の神経細胞を栄養しています。

 

つまりこの血液供給が途絶えると脳細胞は死んでしまいます。中枢神経の神経細胞は末梢神経と違い再生できないので一度死ぬと元に戻りません。

 

では具体的に、この三つの大動脈がどのように分布しているのでしょうか。

それぞれの分布領域は以下となります。

 

 【大脳皮質の血管分布】

 

これで大脳皮質についての知識が整理できてきたでしょうか?

 

①機能局在(~野)、②形の名称(~葉)、③そしてこの血管分布図の3つの図を重ねて大脳皮質のイメージができるようになりましょう。

この3つを関連して理解できれば、どの血管が障害されれば、どの部位が障害されるかわかると思います。

 

それがそのまま脳卒中の時には症状として現れます。

 

【メモ】

じつは中大脳動脈、後大脳動脈は大脳皮質だけでなく、脳の内側にある構造にも枝を伸ばしています。これらには名称がついているので、整理しておきます。

中大脳動脈の枝・・・レンズ核線条体動脈

後大脳動脈の枝・・・視床穿通動脈、視床膝状体動脈

 

ちなみに大脳皮質への枝は、特に名前のついていない名も無き枝となりますがこれらと同列に重要なものとなります。

 

また、脳内側にいく枝を「穿通枝」、脳の表面である大脳皮質にいく枝を「皮質枝」と表現したりします。

 

まず脳室を理解する

ここまでは大脳皮質について整理してきました。

 

次は脳・脊髄の位置関係を整理していきます。

 

中枢神経の構造は立体的で、大脳皮質以外は位置関係の理解が難しくなります。

というのも上下だけでなく前後左右の位置関係を理解していく必要があるからです。

 

これをどう整理していくかというと、脳室の位置関係をまずしっかり理解することが重要です。

 

なぜ脳室かというと、脳画像(MRI、CT)で位置関係を知る際に明瞭に把握できる脳室を軸に考えていく事が多いからです。

 

まず脳室を理解して、その付近にどのような構造があるのか知っておきましょう。

 

では脳室の全体像はどのようなものでしょうか「。

 

①側脳室(室間溝:モンロー孔)

②第3脳室

③中脳水道

④第4脳室(外側孔:ルシュカ孔、正中孔:マジャンディ孔)

⑤中心管

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ではこれらが最初に示した中枢神経の目次とどのようにリンクしているかまとめてみます。

 

①側脳室   →大脳(終脳)

②第3脳室  →間脳(視床視床下部)の間

③中脳水道  →中脳

④第4脳室  →前方は橋・延髄、後方は小脳に囲まれる

⑤中心管   →脊髄

 

 

 

だいたいこのような位置関係でリンクしています。

なので脳画像でそれぞれのレベルでスライス撮影した時に、当然これらの脳室も一緒に写ることになります。

 

ちなみにこれら脳室系は脳脊髄液を循環する空間となるのですが、それについては今回は割愛させて頂きます。

 

 

間脳と大脳基底核

ではまず大脳の内部構造で最も重要であり、深く理解する必要のある「間脳」と「大脳基底核」について理解を進めていきます。

 

間脳とは「視床」と「視床下部」のことで、上下の位置関係としては視床の下に視床下部がぶら下がってるような形になります。

 

この視床大脳基底核は同じ高さのレベルに存在します。

 

【図】

脳画像としては第三脳室と側脳室の下の方が一緒に写ることになります。

 

では大脳基底核とはなんでしょうか。

これはいくつかの構造物をまとめた総称のことで、まず大脳基底核の内訳を覚えなければいけません。

 

これは語呂合わせで覚えてしまいましょう。

今回は一例を紹介しておきます。

 

一つ目は「ひかったレンズ日々洗浄」です。

ひかっ ・・・被殻

た  ・・・淡蒼球

レンズ・・・レンズ核

日  ・・・被殻

々  ・・・尾状核

洗浄 ・・・線条体

 

レンズ核」は被殻淡蒼球の総称、「線条体」は被殻尾状核の総称であるためこれらだけで一つの語呂が作られています。

 

ではそれ以外の構造物を覚える語呂ももう一つ追加します。

二つ目は「自然にへ~こく」です。プッって感じです。

 

自・・・視床下核

然・・・前障

へ~・・・偏桃体

こく・・・黒質

 

理学療法士の国家試験では黒質は含まないとして出題されるため注意が必要です。しかし、解剖学の成書では黒質を含むとされているため、今回は一緒に覚えましょう。

 

これで視床大脳基底核を知ることができました。

 

ではそれぞれどんな役割をするのでしょうか。

おおまかですが大脳基底核は主に「運動の調節(錐体外路と関連して)」、視床は「ほぼすべての感覚の中継点」としてとても重要な構造だとイメージしてください。

 

そしてこれらにわざわざ名前がついているのは、ほとんどが軸索で占められる大脳の内側において、細胞体の塊(灰白質)として存在する場所だからです。

 

大脳で灰白質と言えば、大脳皮質でしたがじつは内部にもこれら重要な灰白質が存在するのです。

 

これで視床大脳基底核の存在を少し認識できたのではないでしょうか。

 

では次にそれぞれの位置関係を見てみましょう。

まず脳画像でよくみるスライスで位置関係を整理します。

 

尾状核

淡蒼球

被殻

視床

前障

⑥内包

 

【図】

 

第三脳室を挟むように視床があり、その外側にレンズ核被殻淡蒼球)があるのが理解できると思います。

その間を通る軸索の束を内包と言います。

 

この内包は後に伝導路の理解で重要となります。というのも錐体路といわれる下行性の伝導路のうち主要な部分になるからです。

 

なぜ主要かというと、その位置関係から脳卒中により障害されやすい場所になるためです。脳画像を読む際にもここに脳の出血が広がっていないか知ることは麻痺の程度を予測する上でとても重要になります。

 

このレベルの位置関係をしっかりしっておくことは脳の理解で要になってくるところです。

では立体的な図で位置関係をイメージしてみましょう。

【図】

 

第3脳室を取り囲むように、外側に視床がありそのさらに外側に大脳基底核があるのがわかると思います。

 

そしてこの構造物の外側を大脳が取り囲み、下方では脳幹に繋がっていくのも理解できると思います。

また脳室系で言うと第3脳室から中脳水道、第4脳室につながってきます。

 

ではここでもう一つ追加で構造物を覚えておきましょう。

大脳基底核の外側はたしかに大脳が取り囲むのですが、その前にもう一つ取り囲む構造物が存在するのです。

 

それが「大脳辺縁系」と言われる場所になります。

 

大脳辺縁系

大脳基底核は主に「運動の調節(錐体外路と関連して)」、視床は「ほぼすべての感覚の中継点」としてとても重要な構造です。

では大脳辺縁系とはなにかというと、記憶と情動をコントロールしている部分と言われています。

この辺縁系により起こった原始的な感情(快不快や好き嫌い、怒りと恐怖、攻撃と逃避など)を前頭葉が理性的に抑制することで人間は理性を保っています。

 

この感情の元が大脳辺縁系であると理解しましょう。

 

では話を戻すのですが、これをなぜ今話すかというと位置関係的に大脳基底核の外側に存在するからです。

そして大脳辺縁系大脳基底核と同じように構造物の総称を表す言葉です。

 

その内訳をまずは知っておきましょう。

今回も語呂を一例紹介しておきます。

 

1つ目は「海で弓子の乳みて退場かい?」です。

海・・・海馬

弓子・・・脳弓

乳・・・乳頭体

みて・・・視床前核

退場・・・帯状回

かい?・・・海馬傍回

 

またもや二つにわけて語呂をつくるのはこの一連の構造物はパペッツ回路と言われるためです。パペッツ回路は情動回路として有名で、最近では短期記憶にも関わっていることがわかっています。

 

では残りの構造物も一緒に覚えてしまいます。

2つ目の語呂は「変態漁師中島」です。

 

変態・・・偏桃体

漁・・・梁下野

師・・・視床下部、歯状回

中・・・中隔核

島・・・島皮質

 

これで大脳辺縁系の概要が理解できたと思います。

では大脳基底核との位置関係を図でみてみましょう。

 

帯状回

②歯状回

③脳弓

④偏桃体

⑤乳頭体

視床前核

⑦海馬傍回

 

【図】パペッツ回路をかいてるやつ

【図】基底核との位置関係を示しているもの

 

これで第3脳室を中心として外側に広がる視床大脳基底核大脳辺縁系が整理できてきたでしょうか?

この高さの位置関係は脳画像を見る上で非常に重要になります。

理解しておきましょう。

 

脳幹

次は脳幹(中脳・橋・延髄)のそれぞれの主要な部位を理解していきます。

 

【中脳】

中脳の主要な部位は以下となります。

①中脳水道

②中脳網様体

赤核

黒質

⑤四丘

⑥大脳脚

 

【図】

 

この内、大脳脚は中脳の前面の軸索の塊を指し、内包を通る軸索が繋がってくるところとして重要です。

 

【橋】

①第4脳室

②中小脳脚

③橋背部(橋被蓋)

④橋腹部(橋底部)

 

【延髄】

<前面>

①オリーブ核

②錐体

③延髄網様体

<後面>

①薄束

②楔状束

③内側毛帯

 

ここは大脳脚からの軸索が繋がる錐体があり、ここで錐体交叉します。

 

また後方では後索(薄束・楔状束)から上行性に上がってきた軸索が交叉する毛帯交叉があり、構造上有名な場所が多くあります。

 

【小脳】

①第4脳室

②小脳半球

③虫部

⑤片葉

⑥小脳扁桃

⑦小脳核(栓状核、歯状核、室頂核、球状核)

 

大脳辺縁系の歯状回と小脳の歯状核は混同しやすいので注意。

 

脳神経の中枢

【延髄】

「ジュンコの応援団席」

【橋】

呼吸調節中枢

排尿調節中枢

視床下部

それ以外

 

脊髄

前角、側角、後角

前索、側索、後索

 

伝導路

ここまでで中枢神経の主な構造物は整理できたと思います。

これらを上下に繋ぎ、役割ごとに分類したのが伝導路です。

 

伝導路は主に上行路(感覚)、下行路(運動)に分けられます。

 

以下に全体をまとめてみます。