リハログ

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はじめまして。yusukeです。柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。各種養成校の学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張っています。

【柔道整復師・理学療法士】今更聞けない物理療法機器の効果。TENS・干渉波・EMS・超音波の違い。よく聞くマイクロカレントとは?

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物理療法はセラピストにとって、ごく一般的な治療手段の一つです。
しかし、その効果を有効に使えていないこともよく見受けられます。


今回は物理療法機器の中でもよく使われるものを中心にまとめます。

 


物理療法機器の効果って?

物理療法機器の効果は大まかに分けると、「鎮痛」「機能改善」「組織再生促進」の3つになります。


このうち機能改善とは、筋力強化や関節可動域改善を指しています。


しかし、これらの効果を適切に発揮するには、状態に合わせた機器を選択する必要があります。
機器ごとに供給できるエネルギーが違い、それを適切に選択しなければ効果は得られません。


主に慢性期に適している


物理療法機器の多くは慢性期の症状に対して使われます。


疼痛緩和にはTENS(低周波)、干渉波(低周波)が適しており、可動域改善には超音波、筋力強化にはEMS(低周波〜高周波)などが用いられます。


ちなみに物理療法機器は炎症がある急性期には適しておらず、炎症が落ち着いた亜急性期であれば超音波や極超短波(マイクロ)による組織再生の促進が期待できます。


急性期はやはりRICE処置が一般的です。(※RICE:安静、冷却、圧迫、挙上)


しかし、最近この急性期に使える機器が現れ注目されています。それが、マイクロカレントと言われるものです。


マイクロカレント(微弱電流)とは


マイクロカレントは微弱な電流で無感覚であり、急性期でも使えるものとして注目されています。
効果は主に治癒促進で、鎮痛作用もあります。


また急性期特有の炎症や腫脹の軽減にも作用します。


最近注目されていますが、無感覚のためやや扱いにくいのと、文献による効果の裏付けがまだまだこれからという点が課題であると言われています。


やはり機器での急性期治療はまだ一般的でないのが現状です。

 

商品化されているものでは、お顔のコロコロローラーのRefaもこの作用を利用しています。


EMS(電気的筋肉刺激)とは


筋力強化に使われるEMSとはなんでしょうか?最近話題のシックスパッドもこれに含まれます。


要はTENSや干渉波と同じように電流刺激の一種です。
電流刺激は強度や周波数を調節することにより筋収縮を得ることができ、それを利用したものです。


メリットは関節運動を伴わずに安全に筋収縮を起こせることで、廃用性の筋萎縮予防に適しています。


強度を上げればそのまま筋力トレーニングとなるので、幅広く一般向きのシックスパッドのような商品もでてきています。
ちょっと前でいえば、アブトロニックとかも話題になりました。


筋ポンプ作用も起こせるため、循環改善も期待できます。


周波数とは

 

周波数とは、よく見るパルスの波の図を思い浮かべてほしいのですが、あの波が一秒間に何回あるかというものです。


単位はHz(ヘルツ)です。


実際に機器で、このHzを上げていくと1〜5〜10と上がるごとに、トン…トントン…トントントンと刺激の感覚が短くなり、20を超えるとトトトトと刺激がつながり、いわゆる強縮になります。


強縮とは、神経の活動電位による1つの刺激が重なり、ピクッとした一回の筋収縮がピクピクピクとつながって、関節を曲げるような持続的な筋収縮になることです。(擬音語ばっかりですいません笑)


約1〜30Hzでは慢性期の鎮痛効果があり、20〜80Hzでは筋肉刺激が起こせると言われています。


強度とは


これは先程のパルスの波1つ1つの高さです。


活動電位が閾値を超えたら、筋収縮が起こるのと一緒で、パルスの強さを調節して閾値を超えると筋収縮が得られます。


この強度と周波数を調節して、敵刺激を作っていくことになります。


例えば、麻痺がある人は閾値が高い場合が多く、強度を上げて筋収縮が起きるか確認する必要があります。
ただし、強度を上げすぎると火傷リスクがあることと、筋疲労により過用症候群を起こさないよう注意する必要があります。

 


強度の強さを弱いもの順に比較すると、マイクロカレント(微弱電流)→TENS・干渉波(低周波)→EMS(電気的筋肉刺激)となります。


低周波が一般的


低周波は電流刺激の中でも汎用性が高く、最も一般的な機器となります。


種類としては、疼痛軽減目的のTENS、干渉波が有名です。


他にも、TESと言われる痙性麻痺の拮抗筋に対する刺激により随意運動回復を目的とするものや、FESという麻痺筋をかわりに筋収縮させて使うための電気刺激など、様々な種類があります。


しかし、基本は電流による神経刺激であり、感覚神経に作用すれば鎮痛、運動神経に作用すれば筋収縮を起こします。


感覚、運動両方にアプローチできるため幅広く使えるメリットがあります。


超音波とは


超音波も低周波の次によく使われる印象があります。


この超音波は強度を調節することで、非温熱効果と温熱効果の使い分けができます。


0.5〜1.0w/c㎡では非温熱効果となり、組織再生の促進に有効です。
1.1〜2.0w/c㎡では温熱効果となり、鎮痛や組織の弛緩、筋緊張緩和などが期待できます。


またメリットとして、金属挿入されている患者さんにも使えるというポイントがあります。


金属挿入で禁忌となる機器は?


金属挿入といえば、人工関節や骨頭をはじめ脊椎や骨折部の固定など臨床ではよく出会うケースです。


しかし、じつは低周波や極超短波(マイクロ)は金属挿入部への使用は禁忌となります。


これはかなり重要であるため、必ず知っておかなければいけません。


効果も大切ですが、禁忌の理解は物理療法機器を扱う上で必須になります。


まとめ


物理療法機器についてまとめてみました。
国家試験でもよく問われますが、臨床で有効につかうには更に勉強が必要だと感じました。


他にもレーザーなどの機器や、パラフィン浴、ホットパックなど様々な物理療法があるため今後も勉強していきます。

【解剖学】皮膚のターンオーバーって何?表皮と真皮の違いとは?【エステ・美容鍼】

よく聞く皮膚の「ターンオーバー」って今更ですがなんでしょう?
というか、そもそも皮膚ってどんな構造でしたっけ?
今回は、忘れがちな皮膚の構造からターンオーバーの仕組みについてまとめてみます。

 


皮膚の構造


「皮膚」とは、所謂「お肌」のことです。皮膚というとイメージどおり数ミリの薄いものですが、じつは大まかに3層に分かれます。


この3層が「表皮・真皮・皮下組織」です。


このうち一般にイメージされる皮膚というと、表皮と真皮の部分になると思います。
では皮下組織とは何かというと、脂肪の層です。所謂、皮下脂肪です。
解剖学的にはここも、皮膚として扱われます。


では表皮から順に、まとめていきます。


表皮とは


一番表面の部分、私たちが触っているお肌とは主にこの「表皮」です。


表皮という名前の通り、一番浅い部分を指します。


そして、その中でもさらに表面の薄い部分を「角質層」といいます。
これは、一般でいう「垢」のことです。
この角質って垢だからいらないものかというと、とんでもありません。


表皮は生きた細胞の塊で、角質層はその細胞を守るバリアの働きをします。
このバリアがなければ、皮膚は過敏になりすぐに炎症を起こしてしまいます。
この角質(垢)があるから、健康的な肌は保たれています。


また、この角質(垢)とは何でできているかというと、表皮の生きた細胞が死んだものです。


では、この生きた皮膚の細胞というのはどこでできるのでしょうか?


じつは、表皮の底には基底層という部分があり、そこで生まれます。


つまり表皮とは、上から順に①表面の角質(垢)②生きた表皮細胞③細胞を生み出す基底層の3つに分かれています。


ここまで表皮を知れば、じつはターンオーバーってほとんど理解したも同然です。
次は、ターンオーバーについてまとめます。

 

ターンオーバーとは?


ターンオーバーとは、じつは先程の「表皮の生まれ変わり」のことを言います。


ここで重要なのは、表皮の構造をしっかり押さえておくことです。
表皮の構造とは、
①「角質層(垢)」※死んだ表皮細胞
②「表皮細胞」※生きた表皮細胞
③「基底層」※表皮細胞を生み出す
この3つです。


ではターンオーバーの流れとはどのようなものでしょうか。


①まず基底層で表皮細胞が生まれます。

②次に約28日かけて、表皮細胞は死んでいき、角化して角質層となります。

③角質層が垢として剥がれ落ちます。


この表皮の生まれ変わりを、ターンオーバーといいます。
ターンオーバーを約1か月ごとに、繰り返すことで絶えず皮膚は保たれています。


ただ年齢とともに、このサイクルの期間は長くなり、年々角質層が厚くなるとともに生きた表皮細胞は薄くなっていきます。
そのため、高齢者の肌はカサカサになりやすく、乾燥しやすくなります。


【真皮とは】
真皮は、表皮の1番下の基底層のさらに下にあります。
この真皮は、美容商品のキャッチフレーズでよく目にする、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などによりできています。


表皮は細胞の塊なのに対して、弾力を保つのが真皮層です。


そのため表皮は細胞の生まれ変わりにより傷がついたとき再生できます。しかし、真皮は主にコラーゲンでできているため傷がつくと完全に元どおりになりません。

 

表皮と真皮の違い


表皮と真皮はまずその厚さが違います。


表皮は0.3ミリ程度なのに対して、真皮は1〜4ミリあると言われています。


また、重要な違いは表皮はターンオーバーがあるのに対して、真皮はありません。


真皮は細胞の塊ではなく、主にコラーゲンやエラスチンなどの線維(蛋白質)と、ヒアルロン酸といわれる水分でできています。


そのため、「線維芽細胞」と言われる細胞により生み出されます。


表皮と真皮ではその生まれ変わりに差があります。


表皮は若ければ約一か月で生まれ変わることに対して、真皮は数年かかると言われています。さらに年齢を重ねると、真皮は徐々に生まれ変われなくなってしまいます。


基底層と線維芽細胞


表皮と真皮を整理した時、よくわからないのが、この2つではないでしょうか。
それぞれの役割をもう一度整理してみます。


「線維芽細胞」とは全身の結合組織(コラーゲンなど)に散々している細胞で、例えば筋では筋線維芽細胞、骨では骨芽細胞、肺では肺線維芽細胞というように固有の名前があります。


これが真皮にも存在しており、真皮ではコラーゲンの再生に関わっています。


それに対して、表皮の1番底にある基底層は血管から栄養を受け取り、表皮細胞を生み出します。
また、基底層はその下の、真皮を守るバリアの役割をしています。 

 

 

皮下組織とは


最後に皮下組織とは主に脂肪層で構成されています。
そのため、個人ごとにその厚さは差があります。


皮膚というくくりで整理すると、この皮下組織も皮膚の一部に含まれます。


まとめ


話をややこしくするのが、表皮、真皮、皮下組織という3つ層があるうちの、表皮の中にさらに3層あるというところではないでしょうか。
ここをしっかり押さえることが、理解のポイントです。


ちなみに皮下組織の下は、筋膜そして筋肉となります。


余談ですが、鍼はこの層まで貫くことができます。手では直接触れない層に直接アプローチできることも鍼の魅力の1つです。

【生理学】伸張反射とⅠa抑制・Ⅰb抑制まとめ

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筋緊張の異常と反射の関係

筋肉は何もしていなくてもある程度の緊張が保たれています。

 

そしてその緊張は、運動をする時には自動的に適切な状態に調整されます。

そこで初めて、頭で思った動きが自然に行えます。

 

これがうまくいっていない状態と言えば、例えば脳卒中により運動麻痺が起きている状態です。

運動麻痺とは、中枢神経内を走行する下行性の伝導路(錐体路錐体外路)のいずれかの場所で障害され、運動の命令が適切に筋に伝わらなくなった状態です。

 

なので、弛緩性麻痺のような全く出力できない場合だけでなく、出力はできるけれどもその調節がうまくいかない状態も含まれます。

いわゆる筋緊張の異常といわれるものです。

 

この筋緊張の異常は、筋緊張をコントロールしている反射が失われることで生じます。

 

今回は、この筋緊張を保つためにオートマティックに起こる反射を2つ紹介します。(伸張反射・Ⅰa抑制)

また、それとともに筋肉をストレッチした際に起こる反射をもう1つ一緒に紹介します。(Ⅰb抑制)

 

伸張反射

伸張反射は、「深部腱反射」としてよく知られる反射です。

 

深部腱反射とは例えば座った状態で膝の下を打腱器でコツンと叩くと、膝が勝手に伸びてくる膝蓋腱反射などのことです。

 

これで何がわかるのかというと、じつは運動麻痺が無いか調べる検査です。

 

ざっくり言うと、全く反応しないあるいは弱ければ弛緩性麻痺(末梢神経障害)、過剰に反応するようであれば痙性麻痺(中枢神経障害)というように判定します。

原始的に思うかもしれませんが、これは未だに使われる重要な指標です。

 

以下に深部腱反射を例に流れを具体的にまとめます。

 

①「筋肉が急激に伸展」される。(打腱器により腱を叩くことにより)

②同時に骨格筋内部の「筋紡錘が伸展」されて興奮(活動電位が発生)

③活動電位が「Ⅰa群求心性神経」を通り脊髄に向かう

④脊髄でシナプス伝達(単シナプス反射)

⑤活動電位が「Aα運動ニューロン」を通り筋肉に再び向かう

⑥最初に伸展された筋肉が「収縮」する。

 

 

これで何がわかるの?と思われるかもしれませんが、じつは伸張反射は身体にとって非常に重要な反射なんです。

 

伸長反射は「筋紡錘」という筋肉の長さを感知する感覚器により起こります。

具体的には筋が急に伸ばされたら、反射的に収縮させてコントロールします。

 

ということは筋紡錘が受けた感覚情報は常に脳に送られて、筋肉が過剰に伸ばされないように収縮させるのです。

つまりこれは筋緊張をコントロールしているということです。

 

脳卒中により伝導路が障害されると、この情報がうまく脳に伝わらない、あるいはうまく脳から筋に伝わらなくなります。

 

これにより筋緊張をどの程度コントロールしていいかわからなくなり、過剰になってしまったり、逆に脳から筋に命令が行かず筋が弛緩してしまったりします。

 

そしてもう一つ、骨格筋が「収縮」した場合に起こる反射があります。

 

これをⅠa抑制と言います。

 

Ⅰa抑制(拮抗抑制、相反性抑制)

Ⅰa抑制は筋肉が収縮した際、同時に筋紡錘が緩むことで起こる反射です。

 

例えば、肘を曲げたり、膝を曲げたり、ごく自然に筋を収縮させると常に起こっている反射です。

こう考えると非常に重要なことがわかると思います。

 

具体的にどんな反射かというと、肘を曲げるために筋が収縮した時、実は自動的に肘を伸ばす筋肉は弛緩していないと邪魔になってきます。

 

筋の名前を使えば上腕二頭筋が収縮するためには、上腕三頭筋は弛緩していないといけないという事です。

つまり主動作筋の収縮に対して、拮抗筋の抑制をさせる反射が「Ⅰa抑制」というわけです。

 

これが障害されるとどうなるかというと、わかりやすく言えばスムーズに動けなくなります。

 

一般的にイメージされる筋緊張の異常とは、主にこのⅠa抑制の障害が影響しているといってもいいのではないでしょうか。

 

以下にⅠa抑制の流れをまとめていきます。

 

①随意的に筋肉(骨格筋)を収縮する。

②同時に骨格筋内部の「筋紡錘が緩んで」興奮(活動電位が発生)

③活動電位が「Ⅰa群求心性神経」を通り脊髄に向かう

④脊髄で「抑制性介在ニューロン」を経由してシナプス伝達(2シナプス反射)

⑤その結果、拮抗筋に向かう「Aα運動ニューロン」を抑制する

⑥拮抗筋が「弛緩」する。

 

伸張反射との違いは、主動作筋ではなく「拮抗筋に働く反射」だということです。

 

伸張反射では伸張された筋そのものが、収縮します。

しかしⅠa抑制では、収縮した筋が緩むのではなく、拮抗筋を緩めるという反射です。

 

そして、じつはこの際、同時におこる反応があります。

筋紡錘はじつは、常に一定の張りがなければ筋の長さを感知できません。

 

そのため収縮により縮んでしまった場合、張りをもたせるために引っ張る必要があります。

この筋紡錘自体の調節を行うのが、Aγ運動ニューロンと呼ばれるものです。

 

これは筋紡錘に付着する錘内筋に作用して、筋紡錘の調節を行います。

じつは筋肉(骨格筋)が収縮する際、常にこのAγ運動ニューロンが筋紡錘の調節を行わないといけません。

 

Aα運動ニューロンにより筋が収縮した情報を伝えるとき、必ずAγ運動ニューロンによる筋紡錘の長さの調整が必要になるということです。

 

このメカニズムは「α-γ連関」といわれ、常に筋肉が収縮するたびに起こる重要な機構として有名です。

 

これがうまくいかなくなると、筋紡錘は筋肉に長さがわからず、筋緊張は調整されません。

その結果、思ったように動けなくなってしまうのです。

 

そのため一般的にイメージされる筋緊張の異常と深く関わるというわけです。

 

Ⅰb抑制(自原抑制)

最後に、もう一つ有名な「Ⅰb抑制」という反射をご紹介します。

これは先ほどの2つの反射とは違い、「筋紡錘」は関わらない反射となります。

 

このⅠb抑制は名前こそ似ていますが、全くメカニズムが違います。

このⅠb抑制では腱の中にある「腱紡錘」が主役になってくるのです。

 

腱紡錘は、筋紡錘と同じように腱に加わる張力を感知します。

 

そして、腱が伸張されすぎているなと感じると、その腱が付着している筋を緩め腱の伸張負荷を減らそうとします。

 

要は腱が伸ばされた時に、切れないように守る反射です。

 

 

今までのように筋緊張に関わる反射というよりは、腱の防御機構として働きます。

 

以下にⅠb抑制の流れをまとめていきます。

 

①腱が強い力でゆっくりと引き伸ばされる

②腱紡錘が伸張されて興奮。(活動電位が発生する。)

③活動電位が「Ⅰb群求心性神経」を通り脊髄に向かう

④脊髄で「抑制性介在ニューロン」を経由してシナプス伝達(2シナプス反射)

⑤その結果、伸ばされた腱に付着する筋に向かう「Aα運動ニューロン」を抑制する

⑥腱に付着する筋が「弛緩」する。

 

ポイントとなるのは、まずゆっくりとした腱の伸張に反応するということです。

 

そして、Ⅰa抑制のように拮抗筋に作用するのではなく、腱に付着している筋そのものに作用して抑制するということです。

 

その点は暗記する上では、伸張反射に似ているとも言えます。

伸張反射とⅠb抑制は同名筋に作用します。

一方、Ⅰa抑制は拮抗筋に作用します。

 

そしてもっともイメージしてほしいのはⅠb抑制はストレッチを実施している時の状況だということです。

 

ストレッチで徐々に腱に伸張刺激が伝わることで、筋肉が緩んでくるというのはまさにこのⅠb抑制によるものです。

 

治療手段としてよく使われるストレッチはⅠb抑制が深く関わっています。

 

なのでⅠb抑制=ストレッチのイメージで覚えてしまいましょう。

 

Ⅰa、ⅠbとかAα、Aγって何?

伸長反射、Ⅰa抑制、Ⅰb抑制などを理解しようとするとき出てくる、Ⅰa、ⅠbとかAα、Aγって何なのでしょうか?

 

これらはⅠa、Ⅰbなどは「数字式分類(Lioyd-hunt分類)」、Aα、Aγなどは「文字式分類(Erlanger-gasser分類)」といわれる分類の用語を使っています。

 

これらは、「中枢神経(伝導路)」を通った後、主に運動神経であれば前角細胞、感覚神経であれば後角細胞を境にして「末梢神経」に変わる(例外もあります)のですが、この末梢神経の神経線維を役割ごとに分類した名前です。

 

生理学では末梢神経を運動神経と感覚神経に分けた後、詳細をこれらの分類で表現します。教科書などでは当たり前にこれらの用語で表現されるため、生理学を理解する時必ず整理しておかなければ混乱してきます。

 

数字式分類(Lioyd-hunt分類)

これは「感覚線維」のみを分類したものです。なので求心性(上行性)の神経はこちらの分類で表現することが一般的です。

 

具体的な内容は以下となります。

 

Ⅰa・・・筋紡錘

Ⅰb・・・腱紡錘

Ⅱ・・・触覚・圧覚

Ⅲ・・・痛覚・温冷覚

Ⅳ・・・痛覚

 

これらの感覚に対応した神経線維を、左に表したⅠ~Ⅳの数字に置き替えて表現するわけです。

これの覚え方は様々ありますが、一例を紹介しておきます。

 

「筋腱触って痛い・熱い!痛い!」

 

と覚えましょう。

 

筋→     Ⅰa・・・筋紡錘

腱→     Ⅰb・・・腱紡錘

触って→   Ⅱ・・・触覚・圧覚

痛い・熱い→ Ⅲ・・・痛覚・温冷覚

痛い→    Ⅳ・・・痛覚

 

という感じで、Ⅰ~Ⅳに対応しています。

 

 

文字式分類(Erlanger-gasser分類)

こちらは運動・感覚の両方が含まれた分類です。しかし求心性(上行性)は数次式分類があるので、遠心性(下行性)の神経を主に表現するときに使われていることが多い傾向があります。

 

おおまかにはA~Cの文字で分類していきます。

この内Aは詳細にα~δまでの4つに分けられています。

 

具体的な内容は以下となります。

 

α

・錘外筋の運動(運動)

・筋紡錘・腱紡錘(感覚)

β

・触圧覚(感覚)

γ

・錘内筋の運動(運動)

δ

・温痛覚(感覚)

・自律神経節前線維

・自律神経節後線維
・鈍痛覚(感覚)

 

これを見てわかるように運動神経が含まれているだけではなく、自律神経も含まれた分類となります。

 

Aα、Aγは運動神経を含むためよく使われます。

Aαは「錘外筋の運動」つまり骨格筋の運動神経を表現するのに使い、Aγは「錘内筋の運動」つまり筋紡錘の長さの調節をする運動神経を表現するのに使います。

 

Aαの「筋紡錘・腱紡錘」と書いてある感覚の部分はⅠa、Ⅰbに対応しているためあまり使うことはありません。

またβはⅡと対応し、δはⅢと対応しているため、これらも数字式分類を主に使うのであまり使われません。

 

そしてCもⅣと対応しているので使いません。

 

ということは、運動線維の表現としてAαとAγを理解しておいて、残りは数字式分類を覚えておけば生理学的な文章で使われる分には十分理解できるということです。

 

まずはこれらを中心に覚えていきましょう。

 

 

まとめ

今回は「伸長反射」、「Ⅰa抑制」、「Ⅰb抑制」という三つの反射と、それらを理解するための末梢神経の生理学的分類をまとめてみました。

 

これらを理解しておけば、臨床で役に立つばかりではなく、生理学の他の単元の理解を深める際にも武器になります。

とくに筋紡錘の詳細を理解する際などは重要になります。

 

 

また伝導路を理解したときに、その先にこれらの末梢神経線維に繋がり、最終的に対応した感覚器に繋がることを理解できてくれば、神経系の範囲の全体像が見えてきます。

 

この機会にぜひ整理してみて下さい。

【歩行分析】歩行周期の覚え方。ポイントを絞って簡単にまとめました。

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歩行周期は理学療法士であれば必修で、柔道整復師鍼灸師でもリハビリテーション医学で一部学習すると思います。

 

しかし、臨床で活用するためには暗記する項目が多く、なかなか理解が難しい分野だと思います。

 

そこで今回は理解の助けになることを祈って要点をまとめてみました。

苦手な歩行分析のポイントをこの機会に整理してみましょう。

 

 

歩行周期とは

歩行周期とは立脚相(支えてる時期)と遊脚相(振り出している時期)からなり、片側の脚が接地してから立脚と遊脚を経てもう一度接地するまでの区間をいいます。

 

従来の名称とランチョ・ロス・アミーゴ式の二つの表現方法があり、現在ではランチョ・ロス・アミーゴ式が一般的です。

(ランチョ・ロス・アミーゴ式とは臨床歩行分析のメッカと言われるロサンゼルスのランチョ・ロス・アミーゴ国立リハビリテーションセンターで考えられた名称です。)

 

また、立脚相を5つの場面、遊脚相を3つの場面に分けて表現します。

これらの場面はそれぞれ重要な役割を持ち、これらの場面を経て歩行が達成されることを「正常歩行」といいます。

 

歩行分析では基本的に、この正常歩行でそれぞれの場面が役割を果たせているかを基準として評価していきます。

 

役割を果たせず、異なった形態で歩行していることを逸脱歩行といい、どの場面で逸脱しているのか正常歩行と比較することで判断します。

 

そのため、初学者はまず正常歩行について熟知することが、歩行分析する力をつける第一歩となります。

 

以下に立脚相、遊脚相それぞれの場面の名称をまとめます。

 

従来の表現

ランチョ・ロス・アミーゴ式

(立脚相)

踵接地

初期接地:IC

足底接地

荷重応答期:LR

立脚中期

立脚中期:Mst

踵離地

立脚終着:Tst

足指離地

前遊脚期:Psw

(遊脚相)

加速期

遊脚初期:Isw

遊脚中期

遊脚中期:Msw

減速期

遊脚後期:Tsw

歩行時に必要な可動域

ではそれぞれの場面では、どんな姿勢になるのでしょうか?

簡単にですが、場面ごとの関節の角度を整理してみました。

 

なかなか角度だけを見て想像できませんが、それぞれの場面での関節角度は意味があり後々おおまかに覚えておく必要があります。

 

また、これらの関節可動域を満たさない場合、各場面の正常な肢位がとれない原因の一つとなります。

 

 

股関節

膝関節

距腿関節

距骨下関節

中足趾節関節

IC

屈曲20°

屈曲5°

中間位

中間位(軽度内反)

中間位

LR

屈曲20°

屈曲15°

底屈5°

外反5°

中間位

MSt

中間位

屈曲5°

背屈5°

外反が減少

中間位

TSt

伸展20°

屈曲5°

背屈10°

外反2°に減少

伸展30°

PSw

伸展10°

屈曲40°

底屈15°

中間位

伸展60°

ISw

屈曲15°

屈曲60°

底屈5°

中間位

中間位

MSw

屈曲25°

屈曲25°

中間位

中間位

中間位

TSw

屈曲20°

屈曲0~5°

中間位

中間位(軽度内反)

伸展0~25°

(『観察による歩行分析』訳者月城慶一・山本澄子・江原義弘・盆子原秀三 医学書院2005年p40~46)

 

立脚相は特に重要

急にたくさんの単語がでてきて、覚えられるかな?と思ってしまうのですが、この中にも要点があります。

 

ポイントは立脚相から理解を深めることです。

 

なぜなら片方の脚が立脚相になっている時、じつは反対の脚は遊脚相になります。

 

つまり、立脚相で支えられていないと、反対側の遊脚相が作れません。そのため多くはまず立脚相を評価していくことになります。

なので立脚相を集中的にまずは理解していきましょう。

 

今回はその中でも特に重要なIC~Tstの4つの場面に集中してまとめていきます。

 

また、歩行周期はそれぞれの場面が独立しているわけではなく、当然連続して起こっています。

 

なので暗記することが膨大に感じますが、場面ごとに記憶するのではなく、ストーリーで理解すれば覚えやすくなります。

 

以下にそれぞれの役割と、肢位のポイントをまとめていくので参考にして下さい。

 

 

イニシャルコンタクト(IC)初期接地

イニシャルコンタクト(以下IC)とは、歩行の最初に踵が地面に接する場面を言います。

遊脚相(振り出し)から地面に踵がついた瞬間に立脚相に切り替わりその瞬間がICです。

 

ICでは接地の衝撃に耐えることと、この後のLRで起こるheelrockerを効率よく働かせるための下肢のポジショニング作りが重要になります。

 

このときの下肢のアライメントは、「股関節屈曲20°」、「膝関節屈曲0~5°(ほぼ完全伸展位)」、「足関節中間位」、「距骨下関節外反位」です。

 

「股関節20°屈曲位」は遊脚期の振り出しの終了の位置が引き継がれた角度であり、仙腸関節と膝関節の安定に有利な肢位です。この肢位は大殿筋・ハムストリングスにより制御されます。

 

「膝関節伸展位」と距骨外反の影響で起こる下腿内旋位の運動連鎖は靭帯による受動的な膝関節の安定性をもたらします。また大腿四頭筋や大殿筋上部の活動により膝折れを防ぎ、ハムストリングスにより反張膝を防ぎます。

 

「足関節中間位」は距腿関節のはまり込みによる安定化と、heelrocker機能の準備につながります。このために前脛骨筋などの足関節伸展筋の活動が重要になります。

 

これらにより衝撃吸収と下肢のポジショニングが達成されます。

 

もう少し詳細な内容は以下の記事を参考にして下さい。

pthari.hatenablog.com

 

ローディングレスポンス(LR)荷重応答期

ローディングレスポンス(以下LR)とは、イニシャルコンタクト(IC)の直後から始まり足底の全面が地面に接地するまでの時期となります。

 

LRではICで生じた衝撃を吸収することと、heel rocker機能によりスムーズに前方への推進を促すことが重要となります。

 

この時の下肢のアライメントは、「股関節屈曲20°」、「膝関節屈曲15~20°」、「足関節底屈5°」、「距骨下関節外反位」です。

 

「股関節20°屈曲位」はICからの延長で生じており、前方に崩れるのを防ぐために大殿筋の収縮が必要になってきます。

 

「膝関節15~20°屈曲位」は衝撃吸収で最も重要となり、heel rocker機能と連動して起こります。

この膝関節屈曲の制御のために大腿四頭筋の収縮が重要になります。

 

「足関節5°底屈位」は前脛骨筋により制御され、同時に下腿前傾が起こります。

これがいわゆるheel rocker機能であり、この下腿前傾により膝関節屈曲が誘発されます。

 

この一連の動作により衝撃吸収だけではなく、前方への推進を促します。

 

もう少し詳細な内容は以下の記事を参考にして下さい。

pthari.hatenablog.com

 

 

ミッドスタンス(Mst)立脚中期

ミッドスタンス(以下Mst)とは、ローディングレスポンス(LR)の後に起こり、膝関節・股関節が鉛直配列に近づき身体重心が最も上方に持ち上がる時期です。

 

Mstでは下腿の前傾を制御し安定した立脚を維持することと、身体重心を上方に持ち上げることが重要となります。

 

この時の下肢のアライメントは、「股関節屈曲0°」、「膝関節屈曲5°」、「足関節背屈5°」、「距骨下関節外反位(LRより減少)」です。

 

 

「股関節中間位」は反対側の振り出しと股関節伸展モーメントにより受動的に起こります。

前額面では外転筋群と大内転筋により骨盤の外側移動の制動と、膝関節の安定がなされ荷重が乗ってくる下肢を制御し安定した立脚を可能にします。

 

「膝関節5°屈曲位」はほぼ伸展位であり、反対側の振り出しと膝関節伸展モーメントにより受動的に起こります。ただし前半では大腿四頭筋による膝関節安定化が必要になります。

 

「足関節5°背屈位」はLRでの5°底屈位から下腿が前傾した結果であり、下腿三頭筋の制御が必須になります。これにより下腿・大腿の受動的伸展を制御し安定した立脚が可能となります。

これがいわゆるankle rocker機能であり、前方への推進力を適切にコントロールするメカニズムです。

 

もう少し詳細な内容は以下の記事を参考にして下さい。

pthari.hatenablog.com

 

 

ターミナルスタンス(Tst)立脚後期

ターミナルスタンス(以下Tst)とは、ミッドスタンス(Mst)の後に起こり、股関節伸展と共に足関節では踵が浮き上がり、いわゆる「蹴り出し」が起こる時期です。

 

Mstで身体重心が最も上方に持ち上がった後、Tstでは下降してくる身体重心持ち上げるために踵を浮き上がらせ、つま先立ちになることで蹴り出します。

それによりフットクリアランスが保たれ反対側が適切に初期接地(IC)することができます。

 

Tstでは前方へ加速する身体重心にブレーキをかけることと、下降してくる身体重心を上方修正し、推進する方向をコントロールすることが重要となります。

 

この時の下肢のアライメントは「股関節伸展20°」、「膝関節屈曲5°」、「足関節背屈10°」、「距骨下関節外反位(Mstよりさらに減少)」です。

 

「股関節20°伸展位」は股関節伸展モーメントにより受動的に起こり、矢状面状上では大腿筋膜張筋により制御されます。前額面上では小殿筋と大腿筋膜張筋が制御します。

 

「膝関節5°屈曲位」はMstから引き続きほぼ伸展位を維持します。筋活動は必要ありません。

「足関節10°背屈位」は蹴り出しにより起こります。この際、下腿三頭筋の最大筋収縮がおこり踵を持ち上げます。

これがいわゆるforefoot rockerであり、身体重心の上方修正と、推進方向のコントロールを可能とします。

 

もう少し詳細な内容は以下の記事を参考にして下さい。

pthari.hatenablog.com

 

 

まとめ

今回は歩行周期についてポイントをまとめてみました。

歩行周期は立脚相から遊脚相までの一連の流れで、一側が立脚相のとき反対側は遊脚相となります。

 

つまり、片脚が支えている時反対側は振り出されているわけです。

 

重力がある以上、どうしても支える足が安定した歩行のために重要になります。

 

たくさん暗記する項目があり最初は混乱しますが、導入としてまずは立脚相の要点を覚えることがおすすめです。

その際、前後のつながりを意識しながら覚えていくと、なぜその姿勢になるのか理解しやすいためおすすめです。

 

おそらくこの記事を読んでくれた方は何かしら歩行についての書籍をお持ちだと思いますが、以下の書籍では簡潔に詳細にまとめてくれていますので紹介しておきます。

しっかり理解したい方はぜひ活用してください。

 

【参考文献】

1)キルステン・ゲッツ=ノイマン(著),月城慶一,他(翻訳):観察による歩行分析.医学書院,2008.

2)石井慎一郎:動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践,メジカルビュー社,2016.

柔道整復師、理学療法士を経験して思うこと

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今回は柔道整復師理学療法士の2つの資格で仕事をしてみて感じたことをもとに、両資格の特徴を書いてみます。


この2つの資格は一般的に似ていると言われていますが、全く専門が違います。


業務はたしかに一部重なりますが、目的が違うのです。


今回、簡単に両資格の違いを書いてみます。

 

 

 

柔道整復師理学療法士とは


ざっくりまとめると、柔道整復師は主に整骨院で働き、理学療法士は主に病院で働く仕事です。
しかし、現在は職域が広がり両資格とも福祉の現場をはじめ様々な場所で活躍しています。

 


簡単に違いを書くと、柔道整復師は痛みや動きにくいなどの「症状に対する治療」をすることが多いのに対して、理学療法士は日常で困る動作についていわゆる「リハビリ」をします。


理学療法士も「症状」には介入しますが、それは手段であり目的ではありません。
これは医療の現場において、症状には医師が主として対応しているからという側面があります。というのも病院ではより重度の疾患が多く、手術や投薬などの治療と並行してリハビリを行うからです。

 


ただ、理学療法士も外来や訪問など場面が変われば柔道整復師に近い業務もこなします。


このような場面では、患者さんのリピートを意識する必要があり、満足度について考えなければいけません。つまり症状の緩和や場合によっては慰安の要素(会話も含めて)に向き合わなければいけません。
またお客様としてサービスの観点も必要になってきます。


なので柔道整復師理学療法士は場面によって業務が重なるという事実があります。


しかし、お互いに専門が違うため関わる上で目的は全く違うものとなります。

 

柔道整復師の治療と理学療法士のリハビリとは似て非なるものなのですが、それはまた別の記事で紹介します。

 

今回は、それぞれの資格の強みについて書いていきます。


理学療法士の強み


理学療法士は福祉の現場でも活躍しますが、養成校では医療での関わりを主として勉強します。


これが柔道整復師との違いとしてまず第1に挙げられる点だと思います。


理学療法士は、医療現場で連携して仕事をするため、常に医療従事者間での共通言語を求められます。
柔道整復師では、そのような教育は少なく、また現場でもあまり意識されていないのが現実です。


共通言語を用いることで、様々な書類を作成することができ、他職種との連携においてとても強みになります。


また根拠に基づいて治療をすることが求められるため、ある程度の能力の平均化が図られていると言えます。


これは施術者全体の質の向上につながっており、安心して施術を受けやすいと言えるでしょう。

 

理学療法士は医療現場でのリハビリをルーツとした資格なので良くも悪くも安定しています。


柔道整復師の強み


柔道整復師では、開業を目指して入学する人が多く、個人の行動力の高さに強みがあります。


先程書いたように、他職種と連携することが苦手である反面、個人で自営することを目的とするためバランスよく治療以外のマネジメントの視点を持っています。


それ故に、道をそれてしまう施術者が増えてしまい、以前より施術者としては質が下がってしまったことが残念です。


しかし、医療ではなかなか介入しきれないところで活躍することができる点がこの資格の強みです。
しっかり勉強している施術者であれば患者さんが本当に求めている、丁寧な関わりができます。


ある意味、医療的介入のような目的にしばられない点が強みだと思います。

 

より身近な立場で細やかなサポートができる反面、医療のように安定した内容が担保されているとは言えず、施術者ごとのレベルがばらばらという点が特徴です。


安心して施術を受けられるのは?


どちらの資格も、個人差はどうしてもあり、質にばらつきがあるのは事実です。


レベルの高い施術者がいれば、残念ですが意識の低い施術者も存在します。


しかし、国家試験を通過しているという点で一定の関門を超えてきています。
この意味ではどちらも一定の質が保たれています。


この点を踏まえて、あえてどちらかというと理学療法士となるでしょう。


その理由として、理学療法士の方が医学的な知識のレベルは高い点が挙げられます。そもそも、学ぶ単位数が、理学療法柔道整復師では違うのでこれは仕方がありません。
理学療法士は4年がベースのカリキュラムなのに対し、柔道整復師は3年ベースなのです。


また、理学療法士は実習という何ヶ月もの長期の実地研修がある点も大きいです。


また理学療法士はクラスの半分近くは落第することもザラで、国家試験にたどり着くまでにかなりふるいにかけられます。これは柔道整復師の養成校では考えられません。


以上の点で、理学療法士の方が質としては安定していると言えるでしょう。


しかし、両資格とも卒業してからが本当の勉強です。
そこから努力した人としない人では差が生まれるため、個人のレベルによって当たり外れがどうしてもあると思います。 


まとめ


柔道整復師理学療法士は患者さんとの関わりが深くなる職種です。
そのため、患者さんとしては信頼できる施術者に治療してもらいたいと思うものです。


しかし、両資格とも一定のレベルは担保されているものの個人の資質が大きいと言わざるを得ません。


今回はその上で、両資格の強みや背景をまとめてみました。


まだまだ認知度が高くない両資格を知るきっかけになれば幸いです。

 

【鍼灸師】卒業後どうやって技術を磨く?東洋医学の勉強が難しい。一年目の不安について。

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鍼灸の学校を卒業しても、そのままでは臨床で通用しないのが現実です。

学校で修得できるのは、安全に鍼灸を行うというところまでで精一杯です。また座学も基本的な医学や東洋医学の知識を暗記するだけで終わってしまいます。

 

それでも3年間いっぱい使ってなんとか終わります。

 

つまり、臨床に出てもまだ一人で患者さんに対応できる能力はありません。

 

ここからどうやって技術や知識をつけていいのか多くの人が迷います。

 

この悩みは卒業前や、一年目で特に多いのではないでしょうか。

 

 

一年目にやるべきこと

いざ患者さんに施術するとなると、まず疾患や症状に対する配穴で悩みます。

たしかに配穴はとても大事ですが、実はもっと難しいのはここからです。

その穴(ツボ)にどうやって打つのかが重要です。

 

鍼灸は経験医学であり、エビデンスのもとに一定の効果を出すことは困難です。

 

つまり、様々な穴(ツボ)に打ってみて、効果がでなければ、またその打ち方を変えて、どうやったら効果が出るか試行錯誤する必要があります。

配穴が悪いのか、打ち方が悪いのか経験が浅い内はよく悩みます。

 

それぞれの穴には適した打ち方があり、穴をひとつ使いこなすには、打つ経験が必ず必要になります。

 

打って効いた経験を積み重ねて、技術が出来上がっていきます。

 

なので一年目は、様々な患者さんに打つ経験をするということが、1番重要かもしれません。

 

配穴がわからない

とはいえ配穴ももちろん重要です。

 

様々な症状に対応した最適の穴が選べてないと効果がでにくいことも事実です。

 

これには東洋医学の知識が重要になってきます。しかし、東洋医学の考えというのはどうしても難解で、最初はなかなか習得するのは難しく、卒後の知識では到底臨床では通用しません。

 

ですが焦って勉強しても一朝一夕で理解するのは難しいでしょう。

 

しかし、焦ることはありません。

穴レベルではなく、経脈のレベルで把握できれば、その中のいずれかの穴であればある程度効果が期待できます。

なので、まず打つ技術を磨くことが重要だと思います。

 

東洋医学の全体像がわからず、焦りますが、まずいろいろな穴を使ってみて、自分の中で試行錯誤することが後々の経験になります。

 

 

教えてもらうことも大事ですが、自分で導き出した答えには価値があります。

 

師匠は必要か

ここまで自分で経験して技術を磨く方法を書いてきました。

しかし、師匠がいればメリットがあることも事実です。

 

師匠がいれば、臨床を見学する機会や、悩んでいる症例を相談する機会が生まれます。

 

このような機会に恵まれれば、配穴を学べます。

東洋医学的な考察ができなくても、症状ごとに師匠がどのような配穴をしているか見ることで、シンプルに見よう見まねで臨床に入れます。

 

また、それにより新人のうちは自信を持って臨床にあたることができます。

また、効果が出た時、出ない時、様々な場面でどのように説明しているのか学べます。

そして、最もメリットなのはどのように治っていくのか、症状ごとの予後を学べることです。

 

鍼灸は慢性疾患を主に対象としているため、必ずしも治ることを目的として患者さんが来ているとは限りません。

その際、何かしら癒しを求めていたり、治ること以外の目的をもって来院して下さることも少なくありません。

 

師匠がいればこういった様々な経験を、近道で学ぶことができます。

 

しかし、昔のように余裕がある時代ではありませんから、無償で親切になんでも教えてくれる師匠はなかなか見つかりません。

 

そこで今回お伝えしたいことは、必ずしも師匠がいなくても成長できるということです。

 

試行錯誤して、自分が自信を持って打てる穴を増やしていき、経験を積むことで必ず前進します。

配穴については、症状ごとに書いてある本もたくさんでています。

 

そういった教科書を最初は使い、後ほど東洋医学的な思考を身につけ、自分の考えで穴を選べるようになっていけばいいのではないでしょうか。

 

目標を決める

鍼灸師になりたては、ただ漠然と技術を学びたいと思いがちです。

しかし、この一年目の時期から最終目標を決め、逆算して必要なことを学ぶことが大事です。

 

例えば独立開業して、その後の展開を考えている場合、技術とは単に鍼灸の技術だけでは足りなくなります。

 

どのように鍼灸を売り込むのか、集客のノウハウなど鍼灸院のマネジメントを勉強する必要がでてます。

 

これらを総合的に学べる、あるいは自身で学ぶ時間がとれる環境を探さなくてはなりません。

 

目標につながることができているか、それだけが一年目の漠然とした不安を解消する唯一の方法です。

 

目標が曖昧なほど、不安は増すと言えるでしょう。

 

まとめ

今回は卒業後の不安への対策について考えてみました。

要点は

鍼灸の技術については自分でも学んでいける。

②目標を明確にすれば不安は減る。

③目標に近づくことができる環境を選ぶこと

の3つでした。

 

経験をもとにした個人的な意見ですが、悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。

 

【歩行分析】足部からの運動連鎖について。重要な距骨下関節の動きまとめ。

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歩行時の足関節や足部の動きといえば矢状面での「rocker function」が有名です。

しかし、足部では他にも重要な機能があります。

 

今回は忘れがちな、前額面上の足部の動きについてまとめてみます。

 

 

 

距骨下関節の動き

距骨下関節は立脚相全体(IC~Tst)の間にどのように動きをするのでしょうか。

 

じつは距骨下関節はICでの衝撃吸収とTstでの蹴り出しの場面で重要となるため、各時期ごとに複雑な動きをすることが求められます。

 

まず、全体の流れを距骨下関節に着目して説明していきます。

 

最初にICでは踵の外側が接地し、距骨は回外します。(足部でいうと内反の動き)

この際、衝撃吸収に有利となるように足部には柔軟性が要求されます。

 

そこからMstにかけて回外は減少し距骨は中間位になっていきます。

 

そして最終的にはTstで距骨は回内し、母趾側に荷重していき蹴り出しが行われます。(足部でいうと外反の動き)

その際、足部は蹴り出しに有利となるように剛性が必要になります。

 

つまり足部は、柔軟性と剛性の両方を兼ね備えている必要があると言えます。

 

足部からの運動連鎖で下腿は内旋する

IC時、距骨は回外し、接地の衝撃を吸収します。

そしてこの後、tstにかけて距骨は回内していくと同時に運動連鎖で下腿は内旋します。

またICの際、後脛骨筋は遠心性収縮し距骨回外(足部内反)を制御します。

(後脛骨筋の作用は内反・底屈)

 

この下腿内旋と後脛骨筋の遠心性収縮は非常に重要で、膝関節の位置を正中に近づける役割があります。

この機能がないと、踵の外側から接地するため、膝関節は内反位(O脚の方向)となり膝関節にストレスがかかってしまいます。

 

前額面で起こる足部からの運動連鎖

①距骨下関節は立脚初期~後期にかけて、回外→回内します。

②回外を制御するために、後脛骨筋が遠心性収縮します。

③立脚後期に起こる踵骨回内と同時に、運動連鎖により下腿は内旋します。これにより足部外側が接地したために起こる膝関節内反は修正され正中位に近づきます。

④内転筋群・大殿筋下部の求心性収縮により大腿は内転します。その結果、骨盤は外側にswayします。

⑤骨盤の外側swayを外転筋群・大殿筋上部の遠心性収縮が制御します。

 

運動連鎖が破綻すると変形の原因になる

この運動連鎖が破綻するとどのようなことがおこるのでしょうか。

今回は運動連鎖の破綻から「変形性膝関節症」になる例を考えてみます。

 

このようなケースでは踵の外側が接地した後、後脛骨筋がうまく働かず、下腿内旋が起こりません。

なので下腿内旋が起こらないために、膝関節の内反が修正できなくなります。

(距骨が回内すると下腿は外旋し、O脚に近づきます)

 

そのため内転筋群・大殿筋下部は遠心性収縮、外転筋群・大殿筋上部は求心性収縮し、骨盤の外側swayは大きくなり、股関節ではいわゆるトレンデレンブルグ現象が起こってしまいます。

 

この状態で歩行を続けると、膝関節内側に負荷がかかり続けることになり、長期に及んだ場合、内側型の変形性膝関節症になるリスクが高まってしまいます。

 

足部からの運動連鎖の破綻は、持続すれば変形性膝関節症の原因となります。

 

まとめ

今回は、変形性膝関節症を例に挙げて、足部からの運動連鎖の重要性をまとめてみました。

距骨下関節は衝撃吸収と蹴り出しという、立脚相でも重要なイベントに関わります。

そのため、歩行の問題点を考える上でじつは重要なポイントになります。

 

軽視されがちですが、重要な足部の機能についてこの機会に復習してみてください。