リハログ

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はじめまして。yusukeです。柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。各種養成校の学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張っています。

【解剖学】皮膚のターンオーバーって何?表皮と真皮の違いとは?【エステ・美容鍼】

よく聞く皮膚の「ターンオーバー」って今更ですがなんでしょう?
というか、そもそも皮膚ってどんな構造でしたっけ?
今回は、忘れがちな皮膚の構造からターンオーバーの仕組みについてまとめてみます。

 


皮膚の構造


「皮膚」とは、所謂「お肌」のことです。皮膚というとイメージどおり数ミリの薄いものですが、じつは大まかに3層に分かれます。


この3層が「表皮・真皮・皮下組織」です。


このうち一般にイメージされる皮膚というと、表皮と真皮の部分になると思います。
では皮下組織とは何かというと、脂肪の層です。所謂、皮下脂肪です。
解剖学的にはここも、皮膚として扱われます。


では表皮から順に、まとめていきます。


表皮とは


一番表面の部分、私たちが触っているお肌とは主にこの「表皮」です。


表皮という名前の通り、一番浅い部分を指します。


そして、その中でもさらに表面の薄い部分を「角質層」といいます。
これは、一般でいう「垢」のことです。
この角質って垢だからいらないものかというと、とんでもありません。


表皮は生きた細胞の塊で、角質層はその細胞を守るバリアの働きをします。
このバリアがなければ、皮膚は過敏になりすぐに炎症を起こしてしまいます。
この角質(垢)があるから、健康的な肌は保たれています。


また、この角質(垢)とは何でできているかというと、表皮の生きた細胞が死んだものです。


では、この生きた皮膚の細胞というのはどこでできるのでしょうか?


じつは、表皮の底には基底層という部分があり、そこで生まれます。


つまり表皮とは、上から順に①表面の角質(垢)②生きた表皮細胞③細胞を生み出す基底層の3つに分かれています。


ここまで表皮を知れば、じつはターンオーバーってほとんど理解したも同然です。
次は、ターンオーバーについてまとめます。

 

ターンオーバーとは?


ターンオーバーとは、じつは先程の「表皮の生まれ変わり」のことを言います。


ここで重要なのは、表皮の構造をしっかり押さえておくことです。
表皮の構造とは、
①「角質層(垢)」※死んだ表皮細胞
②「表皮細胞」※生きた表皮細胞
③「基底層」※表皮細胞を生み出す
この3つです。


ではターンオーバーの流れとはどのようなものでしょうか。


①まず基底層で表皮細胞が生まれます。

②次に約28日かけて、表皮細胞は死んでいき、角化して角質層となります。

③角質層が垢として剥がれ落ちます。


この表皮の生まれ変わりを、ターンオーバーといいます。
ターンオーバーを約1か月ごとに、繰り返すことで絶えず皮膚は保たれています。


ただ年齢とともに、このサイクルの期間は長くなり、年々角質層が厚くなるとともに生きた表皮細胞は薄くなっていきます。
そのため、高齢者の肌はカサカサになりやすく、乾燥しやすくなります。


【真皮とは】皮膚の構造柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張ってます。よろしくお願いいたします #柔道整復 #鍼灸 #理学療法 #学生 #


真皮は、表皮の1番下の基底層のさらに下にあります。
この真皮は、美容商品のキャッチフレーズでよく目にする、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などによりできています。


表皮は細胞の塊なのに対して、弾力を保つのが真皮層です。


そのため表皮は細胞の生まれ変わりにより傷がついたとき再生できます。しかし、真皮は主にコラーゲンでできているため傷がつくと完全に元どおりになりません。

 

表皮と真皮の違い


表皮と真皮はまずその厚さが違います。


表皮は0.3ミリ程度なのに対して、真皮は1〜4ミリあると言われています。


また、重要な違いは表皮はターンオーバーがあるのに対して、真皮はありません。


真皮は細胞の塊ではなく、主にコラーゲンやエラスチンなどの線維(蛋白質)と、ヒアルロン酸といわれる水分でできています。


そのため、「線維芽細胞」と言われる細胞により生み出されます。


表皮と真皮ではその生まれ変わりに差があります。


表皮は若ければ約一か月で生まれ変わることに対して、真皮は数年かかると言われています。さらに年齢を重ねると、真皮は徐々に生まれ変われなくなってしまいます。


基底層と線維芽細胞


表皮と真皮を整理した時、よくわからないのが、この2つではないでしょうか。
それぞれの役割をもう一度整理してみます。


「線維芽細胞」とは全身の結合組織(コラーゲンなど)に散々している細胞で、例えば筋では筋線維芽細胞、骨では骨芽細胞、肺では肺線維芽細胞というように固有の名前があります。


これが真皮にも存在しており、真皮ではコラーゲンの再生に関わっています。


それに対して、表皮の1番底にある基底層は血管から栄養を受け取り、表皮細胞を生み出します。
また、基底層はその下の、真皮を守るバリアの役割をしています。 

 

 

皮下組織とは


最後に皮下組織とは主に脂肪層で構成されています。
そのため、個人ごとにその厚さは差があります。


皮膚というくくりで整理すると、この皮下組織も皮膚の一部に含まれます。


まとめ


話をややこしくするのが、表皮、真皮、皮下組織という3つ層があるうちの、表皮の中にさらに3層あるというところではないでしょうか。
ここをしっかり押さえることが、理解のポイントです。


ちなみに皮下組織の下は、筋膜そして筋肉となります。


余談ですが、鍼はこの層まで貫くことができます。手では直接触れない層に直接アプローチできることも鍼の魅力の1つです。