理学療法であつかう力学まとめ(床反力、newtonの運動の法則、てこ、モーメント)
理学療法の国家試験では難しい力学は必要ありません。基本的な内容を知っていれば計算問題でも初学者が困るようなことはないです。
僕は全く物理学がわからない状態で入学しましたが、授業の内容だけで問題なく理解することができました。
計算が苦手で入学を悩んでいる方がおられましたら、特に問題ないと思います。
参考に理学療法士国家試験レベルで必要な基礎知識をまとめます。
床反力
1)重力と反対向きの力→床反力
2)姿勢保持の力→内力
3)運動を起こす筋力→外力
newtonの運動の法則
名称 |
別名 |
内容 |
運動の第1法則 |
外力が働かなければ静止か等速で運動を続ける。 |
|
運動の第2法則 |
F=ma |
力[F]の変化が運動(速度)の変化の原因である。 |
運動の第3法則 |
作用-反作用の法則 |
床反力が働いているから静止する。 |
※加速度[a]=運動する物体の速度の変化※速度の変化=運動の変化
参考:『基礎運動学第6版』著者中村隆一・斎藤宏・長崎浩 医歯薬出版株式会社2009p.33.34
てこ
名称 |
内容 |
特徴 |
例 |
身体での例 |
第1のてこ |
力点-支点-荷重点 |
安定性 |
洋はさみ、シーソー、バール |
中殿筋、後頭下筋群、上腕三頭筋 |
第2のてこ |
支点-荷重点-力点 |
運動の優位性 |
栓抜き、一輪車 |
腕橈骨筋、腓腹筋 |
第3のてこ |
支点-力点-荷重点 |
速さの優位性 運動の拡大 |
和ばさみ、ピンセット |
参考:『基礎運動学第6版』著者中村隆一・斎藤宏・長崎浩 医歯薬出版株式会社2009p.38.39
モーメント
①人体の骨格系が関節により連結した剛体系とみなすのが、人体の剛体モデル。
②筋力や重力の作用が、骨と関節を介して回転運動に変換される事をモーメントという。
M=dF(モーメント[M]=力の大きさ[F]×支点からの距離[d])で表され、単位はNm。
支点 |
てこの中心 |
モーメントアーム (=レバーアーム) |
支点から力の作用点に降ろした垂線の距離 |
抗力 |
筋収縮に対抗して外部から加えられる力 |
トルク (=モーメント) |
支点を中心として物体を回転させようとする力の大きさ。 「モーメントアーム×力の大きさ」 |
※[抗力×抗力のモーメントアーム]=[筋力×筋力のモーメントアーム]
※つまりモーメントアームが2倍になれば、半分の力でバランスがとれる。
(『基礎運動学第6版』著者中村隆一・斎藤宏・長崎浩 医歯薬出版株式会社2009p.29.30参考)
理学療法の力学で用いられる主な単位
力(N:ニュートン)→質量×加速度 比例するのはトルク(力×モーメントアーム)
運動エネルギー→質量×加速度
仕事(J:ジュール)→力×移動距離
仕事率(W:ワット)→仕事×時間
速度(m/sec)→微分したら加速度 比例するのは運動量
加速度(m/sec²)→積分したら速度 比例するのは力(N)、運動エネルギー