【鍼灸師】卒業後どうやって技術を磨く?東洋医学の勉強が難しい。一年目の不安について。
鍼灸の学校を卒業しても、そのままでは臨床で通用しないのが現実です。
学校で修得できるのは、安全に鍼灸を行うというところまでで精一杯です。また座学も基本的な医学や東洋医学の知識を暗記するだけで終わってしまいます。
それでも3年間いっぱい使ってなんとか終わります。
つまり、臨床に出てもまだ一人で患者さんに対応できる能力はありません。
ここからどうやって技術や知識をつけていいのか多くの人が迷います。
この悩みは卒業前や、一年目で特に多いのではないでしょうか。
一年目にやるべきこと
いざ患者さんに施術するとなると、まず疾患や症状に対する配穴で悩みます。
たしかに配穴はとても大事ですが、実はもっと難しいのはここからです。
その穴(ツボ)にどうやって打つのかが重要です。
鍼灸は経験医学であり、エビデンスのもとに一定の効果を出すことは困難です。
つまり、様々な穴(ツボ)に打ってみて、効果がでなければ、またその打ち方を変えて、どうやったら効果が出るか試行錯誤する必要があります。
配穴が悪いのか、打ち方が悪いのか経験が浅い内はよく悩みます。
それぞれの穴には適した打ち方があり、穴をひとつ使いこなすには、打つ経験が必ず必要になります。
打って効いた経験を積み重ねて、技術が出来上がっていきます。
なので一年目は、様々な患者さんに打つ経験をするということが、1番重要かもしれません。
配穴がわからない
とはいえ配穴ももちろん重要です。
様々な症状に対応した最適の穴が選べてないと効果がでにくいことも事実です。
これには東洋医学の知識が重要になってきます。しかし、東洋医学の考えというのはどうしても難解で、最初はなかなか習得するのは難しく、卒後の知識では到底臨床では通用しません。
ですが焦って勉強しても一朝一夕で理解するのは難しいでしょう。
しかし、焦ることはありません。
穴レベルではなく、経脈のレベルで把握できれば、その中のいずれかの穴であればある程度効果が期待できます。
なので、まず打つ技術を磨くことが重要だと思います。
東洋医学の全体像がわからず、焦りますが、まずいろいろな穴を使ってみて、自分の中で試行錯誤することが後々の経験になります。
教えてもらうことも大事ですが、自分で導き出した答えには価値があります。
師匠は必要か
ここまで自分で経験して技術を磨く方法を書いてきました。
しかし、師匠がいればメリットがあることも事実です。
師匠がいれば、臨床を見学する機会や、悩んでいる症例を相談する機会が生まれます。
このような機会に恵まれれば、配穴を学べます。
東洋医学的な考察ができなくても、症状ごとに師匠がどのような配穴をしているか見ることで、シンプルに見よう見まねで臨床に入れます。
また、それにより新人のうちは自信を持って臨床にあたることができます。
また、効果が出た時、出ない時、様々な場面でどのように説明しているのか学べます。
そして、最もメリットなのはどのように治っていくのか、症状ごとの予後を学べることです。
鍼灸は慢性疾患を主に対象としているため、必ずしも治ることを目的として患者さんが来ているとは限りません。
その際、何かしら癒しを求めていたり、治ること以外の目的をもって来院して下さることも少なくありません。
師匠がいればこういった様々な経験を、近道で学ぶことができます。
しかし、昔のように余裕がある時代ではありませんから、無償で親切になんでも教えてくれる師匠はなかなか見つかりません。
そこで今回お伝えしたいことは、必ずしも師匠がいなくても成長できるということです。
試行錯誤して、自分が自信を持って打てる穴を増やしていき、経験を積むことで必ず前進します。
配穴については、症状ごとに書いてある本もたくさんでています。
そういった教科書を最初は使い、後ほど東洋医学的な思考を身につけ、自分の考えで穴を選べるようになっていけばいいのではないでしょうか。
目標を決める
鍼灸師になりたては、ただ漠然と技術を学びたいと思いがちです。
しかし、この一年目の時期から最終目標を決め、逆算して必要なことを学ぶことが大事です。
例えば独立開業して、その後の展開を考えている場合、技術とは単に鍼灸の技術だけでは足りなくなります。
どのように鍼灸を売り込むのか、集客のノウハウなど鍼灸院のマネジメントを勉強する必要がでてます。
これらを総合的に学べる、あるいは自身で学ぶ時間がとれる環境を探さなくてはなりません。
目標につながることができているか、それだけが一年目の漠然とした不安を解消する唯一の方法です。
目標が曖昧なほど、不安は増すと言えるでしょう。
まとめ
今回は卒業後の不安への対策について考えてみました。
要点は
①鍼灸の技術については自分でも学んでいける。
②目標を明確にすれば不安は減る。
③目標に近づくことができる環境を選ぶこと
の3つでした。
経験をもとにした個人的な意見ですが、悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。