リハログ

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はじめまして。yusukeです。柔道整復師/鍼灸師/理学療法士 3つの資格を取得。各種養成校の学生向けに「リハログ」を運営しています。30代一児の父として頑張っています。

柔道整復師のキャリアアップ。資格を複数とる時代?ダブルライセンスはもはや珍しくない

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今回は、柔道整復師のキャリアアップについて考えてみました。

柔道整復師からどんなキャリアアップが目指せるのでしょうか?

 

柔道整復師の卒後教育

以前に記事に書きましたが、柔道整復師は卒後教育のシステムが無いという問題があります。そのため、方向性に迷う人が多い傾向にあると思います。柔道整復師としてどうやってキャリアを積んでいくのか自分で考えないといけません。

以前は柔道整復師の卒後といえば、徒弟制度の流れが強かったため整骨院に勤めそこで技術を学んで数年後に開業するという流れがありました。当時は、そもそも学校自体も少なく、整骨院から紹介してもらわないとなかなか入学できない時代でした。

しかし、現在では養成校は激増し、以前のような徒弟制度の時代ではなくなりました。

そのため卒後は将来の開業を見据えて、経験を積める場所を自分で選択する必要があります。

しかし、以前は徒弟制度による教育が主であったため、業界に正規といえる卒後教育のシステムはありません。特に、保険適応範囲である外傷の経験を積むためには、どの職場も何かしら条件が非常に厳しい現実があります。

例えば倍率が高い、給料が安いなどです。

このことについては以下の記事で書いています。

pthari.hatenablog.com

開業

柔道整復師といえばそのキャリアの最終目標は「開業」でははないでしょうか。現在でもキャリアを積んだ先に「開業」を見据えて働いている人がほとんどだと思います。

しかし、現在ではもう一つの流れがあります。それは他の資格と組み合わせて独自のキャリアを目指すことです。柔道整復以外にも専門を持ちたいとう人が以前より増えました。

以前では希少だったダブルライセンスと呼ばれるような資格の組み合わせも、今では珍しくなくなりました。

では、どんな資格との組み合わせが多いんでしょうか?考えてみました。

柔道整復師鍼灸師

 この組み合わせは最も多いんではないでしょうか。

以前から多かったこのダブルライセンスも現在では珍しくなくなりました。

柔道整復師養成校は鍼灸師養成校を兼ねている場合が多く、最近ではダブルスクールができるような学校も増え、本来なら両方に通うと6年かかるところを3年で取得できるところも増えています。

また6年かける場合でも同じ養成校で目指せば、入学金などが免除になったりします。単位互換可能な場合は解剖学や生理学など基礎科目の履修を免除してもらえたりと以前よりかなり通いやすくなったと思います。

また、以前から両資格をとるセラピストが一定数いたため、そのモデルケースも多く、自然にキャリアアップの一つとして業界で受け入れられやすかったことも理由として大きかったと思います。

また、養成課程を比べても、柔道整復師では急性外傷に重点がおかれていることに対し、鍼灸師は慢性疾患にその重点がおかれています。この違いにより資格同士の相性もいいと考えられます。

また、柔道整復師から鍼灸師を目指す場合も多いですが、逆も多いです。

鍼灸師では柔道整復師に比べ、職場が少ないという問題があります。なので柔道整復師と組み合わせることは職場を探しやすいとうメリットがあります。

そのため鍼灸師から柔道整復師を目指す人も多いです。

それでも以前では希少だったこのダブルライセンスですが、現在では珍しくなくなりました。

柔道整復師日本体育協会公認アスレティックトレーナー(AT)

これも多い組み合わせではないでしょうか。

スポーツトレーナーは外傷の基礎知識がある柔道整復師と相性がいいと言えます。

また柔道整復師はスポーツ経験者が目指す傾向があるため、魅力に感じる人も多いのではないでしょうか。

スポーツ経験者が目指す傾向が多いことについては以下の記事に書いています。

pthari.hatenablog.com

 また、ATから柔道整復師を目指す場合も多いと思います。これはATの養成校が柔道整復師の養成課程を持っている場合があることが理由の一つだと思います。また、もう一つの理由はATは国家資格ではないので、基盤となる国家資格をひとつ取ることを目指す場合が多いことも理由です。この場合、多くは柔道整復師理学療法士鍼灸師のうちどれかが選択肢となることが多いです。

なぜこの3つかというと、解剖学・生理学などの基礎をしっかり学べることが共通している事と、患者さんに施術をすることが主な業務であることが考えられます。

逆に柔道整復師からATを目指す場合はどうでしょうか。最近では柔道整復師を目指しながらATも同時に目指せるような学校も増えています。

また、もし柔道整復師としてトレーナー業務をしていたら所属している団体から推薦してもらえば、養成校に通わなくてもATを目指せる場合があります。

とはいえATは合格率が低く難しい傾向があります。そのため鍼灸とのダブルライセンスに比べまだまだ少ない印象があります。

柔道整復師理学療法士

これも以前から一定数目指す方がいますが、上記の二つと明らかな違いがあります。それは理学療法士として働いた場合柔道整復師の資格は全く使えません。また逆に柔道整復師として働いた場合も理学療法士の資格は全く使えません。つまりどちらかの資格が死にます。

故に相性が悪いと言えます。目指す場合はキャリアアップとしてより転職の要素が強いと思います。

理学療法士は開業権がないため、理学療法士としての知識を有して開業するために柔道整復師を目指すということが以前は多くありました。しかし、医療費削減の煽りを受けた柔道整復師の厳しい現状から目指す人は少なくなった印象があります。

逆に柔道整復師から理学療法士を目指す場合は多くは転職が理由であると思います。

僕の場合は医療現場での経験を積みたい、理学療法士の技術を学びたいという理由で通いましたが、やはり安定して働きながら経験が積めることも魅力でした。

そう考えると転職の要素もあったのかも知れません。

その経緯については以下の記事に書いています。

pthari.hatenablog.com

しかし、現在では柔道整復師も機能訓練士として福祉施設で働けるようになっています。その方向性から考えた場合、キャリアアップとして理学療法士は最適かもしれません。

しかし、柔道整復師はその意味を無くしてしまいます。福祉や医療の現場で働く場合には医療点数に関われることなどから理学療法士の方が強いと言えるからです。

しかし、この経験をもとに柔道整復師としてデイサービスを経営したりなど整骨院以外の開業を考えられるかもしれません。その場合看護師の方がいいかもしれませんが。

まとめ

もっと方向性はあると思いますが、よくあるケースを紹介しました。

以前は希少であったダブルライセンスも珍しくなくなりました。そう考えると資格を組み合わせるのが普通の時代になってきたように感じます。

いい意味で考えると以前より、資格を複数とることが金銭面でも時間的な面でも敷居が低くなり目指しやすくなったと思います。

ただの柔道整復師で、普通にやっていては厳しい時代になりました。柔道整復師一本でいくならかなり極めないと厳しいかもしれません。そう考えるとダブルライセンスなどで付加価値をつけて方向性を模索するのも一つだと思います。

目標をしっかり決めて、自分だけのキャリアを歩んでみてください。